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日本文理の躍進を支える周到な強化
積み上げから生まれた“文理スタイル”

縦に仕掛ける“文理スタイル”

3回戦で作陽を下し、初出場ながら新潟県勢としての過去最高成績に並んだ日本文理
3回戦で作陽を下し、初出場ながら新潟県勢としての過去最高成績に並んだ日本文理【写真は共同】

 日本文理が1月3日の第96回全国高校サッカー選手権大会3回戦で作陽(岡山)をPK戦の末に退け(1−1、PK7−6)、初出場ながらベスト8進出を決めた。これは新潟県勢としての過去最高成績に並ぶ快挙だ。立正大淞南(島根)、旭川実業(北海道)、作陽と全国の常連を退けての勝ち上がりだから、なおさらこの戦果には価値がある。


 日本文理のサッカーを初めて見た人は、そのアグレッシブさに驚くだろう。3トップが前線から激しくボールを追い、持てば勢いよく仕掛けてくる。両ウイングはとにかくパワフルで速く、フルスピードのドリブルを多用していた。クラシカルなスタイルかもしれないが、爽快感に満ちている。


 3試合で3得点と好調の左ウイング久住玲以は「ボールを下げず、カウンターで縦に縦にというサッカーです」と“文理スタイル”を説明する。


 ただし日本文理は作陽の堅守に苦しんだ。駒沢隆一監督が試合後に「勝った気がしません」という第一声を発するほどの苦しい展開だった。久住も「持ったら2、3人がすぐプレッシャーに来た」と相手の巧みな対応を振り返る。


 それでも縦に仕掛け続けるのが日本文理のスタイル。久住はこう胸を張る。「守備は10回中10回勝たないといけないけれど、攻撃に関しては10回のうち1回抜けてゴールを決めれば勝ちだと思っている。5回中1回くらいは抜けたかなと思います」

久住「日本一走った」

 日本文理は1回戦からの登場で、4日間に3試合を消化した。中0日となる3日の3回戦は、前から激しくボールを追う彼らにとって必然的に「色」を出しにくくなる状況。やはり2−0、2−0と完勝が続いた2試合と同じにはならなかった。ただ、そこを乗り越えたことは彼らの底力を証明する結果だ。


 久住にチームの強みを尋ねると「他のチームよりパワーがあって走り勝てる」という答えだった。技術や状況判断も決して悪くないレベルにあるが、やはり“走り”の部分が他チームを上回るポイントだ。


 オフ明けの火曜日は日本文理がフィジカル系のトレーニングに取り組む日だが、久住はその厳しさをこう口にする。


「日本一走ったと思います。持久力、パワー系の短距離と、いろいろな走りをやっていました」


 ただ長い距離をダラダラ走るのでなく、バラエティーに富んだ、サッカーに適した「走り」ができているのだろう。だからこそ久住も成長を遂げた。


「小中(学校)では足が遅いとずっと言われてきたけれど、高校にきてみんなに『足が速くなったね』と言われます」

大島和人
大島和人
1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都町田市に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。バスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、バレーなどの現場にも小まめに足を運び、試合観戦数は毎年300試合を超える。日本を実はサッカーだけでなくバスケ強国であるスペイン、バレー王国・ブラジルのような球技大国にすることが一生の夢で、“球技ライター”を自称している。

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