野球部に負けない躍進を誓う大阪桐蔭 全国一の激戦区を制し、自信をつかむ

安藤隆人
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野球部のイメージが強い大阪桐蔭

永野監督率いる大阪桐蔭は9年ぶりに選手権で全国の舞台に立つ 【安藤隆人】

 近年、大阪桐蔭と言えば野球部というイメージが強い。もともと大阪桐蔭は野球、サッカー以外にも、ラグビー部や陸上部などが全国レベルの強豪だ。

 なかでも、野球部は春の選抜で2度、夏の甲子園で4度の全国制覇を果たし、中田翔(北海道日本ハムファイターズ)、藤浪晋太郎(阪神タイガース)ら多くのプロ選手を輩出しており、その知名度は強烈だ。

「野球部の西谷(浩一)監督は僕の2つ下。スポーツクラスの教員はいつも一緒にいて職場の同僚です。向こうは野球で例えてくるし、こっちはサッカーで例える。指導者としていろいろな話をする関係ですね」

 こう語るのはサッカー部を率いる永野悦次郎監督。永野監督は2005年の創部からチームを率い、3年目にインターハイ初出場。いきなりベスト8の成績を残すと、翌年も2年連続でベスト8に進出し、全国高校サッカー選手権(以下、選手権)にも初出場を果たすなど、チームを全国レベルに引き上げた。しかし、その後はプリンスリーグ関西で戦い、インターハイもコンスタントに出場するが、選手権はずっと出場できなかった。

大阪は全国でも一番の激戦区

「選手権予選は1位じゃないと出られないというところに、チームとして何か力んでしまうところがあるんです……。インターハイ予選は4強に入れば、決勝リーグを戦って2位まで出られるので、プリンスリーグ関西のように戦える。でも、大阪のようにチーム数が多く、試合が多い中で1位しか出られないとなると、恐れをなして普段やれることがやれなくなったり、いろいろな要素が絡まってサッカーの内容が悪くなる。そこは本当に難しいと思います」

 大阪は全国でも東京に次いで出場校が多い。東京はAとBに分かれて2校出場できるため、実質の優勝倍率が一番高い地区と言っていい。大阪桐蔭だけでなく、履正社、近畿大学附属高、阪南大高、東海大仰星、興國など強豪校も多く、その壁は高い。
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著者プロフィール

1978年2月9日生まれ、岐阜県出身。5年半勤めていた銀行を辞め単身上京してフリーの道へ。高校、大学、Jリーグ、日本代表、海外サッカーと幅広く取材し、これまで取材で訪問した国は35を超える。2013年5月から2014年5月まで週刊少年ジャンプで『蹴ジャン!』を1年連載。2015年12月からNumberWebで『ユース教授のサッカージャーナル』を連載中。他多数媒体に寄稿し、全国の高校、大学で年10回近くの講演活動も行っている。本の著作・共同制作は12作、代表作は『走り続ける才能たち』(実業之日本社)、『15歳』、『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、『ムサシと武蔵』、『ドーハの歓喜』(4作とも徳間書店)。東海学生サッカーリーグ2部の名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクター

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