「不安がないのが不安」ダノンプレミアム 逆転候補もズラリの朝日杯FS記者座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 阪神へ舞台を移して4年目を迎えた朝日杯フューチュリティステークス。ホープフルSのGI昇格により、必ずしも“最強2歳牡馬決定戦”とは言えない中で、今年は重賞勝ち馬も5頭揃う好メンバーとなったが、優馬TM(トラックマン)陣の最終決断は如何に。

無傷のダノンプレミアムで頭は不動?

前走のサウジアラビアRCをレコード勝ちしたダノンプレミアム(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「先週の阪神ジュべナイルフィリーズ、そして水曜の川崎で行われた全日本2歳優駿と、ここまで行われた今年の2歳GIは“無敗馬”が制したことになるが、そういう流れでいけば、ここも2戦2勝のダノンプレミアムが中心となりそうだな」

武井「とにかくスタートが上手な馬で、前走のサウジアラビアロイヤルカップではすぐに好位につけてスムーズに折り合えていました。急に流れが速くなった初戦でも難なく対応して楽々と抜け出したあたり、抜群のセンスの持ち主だと言えますね。そのレコード勝ちの前走にしても、まだ上げられるギアを残した感を受け、まさに能力は底知れません。大トビだけに、内回りやコーナー4回の競馬となると不安も出てくるかとは思いますが、阪神外回りのマイルが舞台ならば、まず信頼できる存在でしょうね」

久光ダノンプレミアムは展開不問の2連勝ですから、センスや素質の高さのみならず、完成度でも一枚上でしょう。不安らしい不安は見当たりませんね」

小野智「1800m戦だったとはいえ、実際に阪神外回りで勝っている点も心強いですよね。まだキャリア2戦とはいえ、どんなペースになっても対応できる馬だと思いますよ」

坂倉「そういった操縦性の高さは、この時期の2歳戦にとっては、より強力な武器となりますね。前走のレコードにしても、前々で運んで叩き出したという点で大きな価値がありますし、中心は不動でしょう」

中邑「その東京マイルでの1分33秒0という時計は、稍重以上の馬場に限定すると古馬を含めても過去10年で最速という優秀なものなんです。ちなみに歴代最速は、同じ稍重発表だった2004年の安田記念でハイペースを味方に豪快な追い込みを決めたツルマルボーイの1分32秒6ですが、自ら動く形でマークしたダノンプレミアムの時計はそれに匹敵するどころか同等以上の価値があると見ていいはずです」

デスク「ただ、阪神へ移設からの3年で連に絡んだのは、全て差し・追込馬。先行馬が勝つイメージを持てないんだよな」

加茂「まぁ、これまで2戦の走りを見ても、行く馬がいれば控えるレースもできそうやし、タメで運べばもっとキレる脚を使えると思えますわ。陣営も“不安がないのが不安”とまで言うくらい自信タップリなんやったら、無事に回って来さえすれば、結果は付いてくるはずやで」

デスク「その相手、というより逆転候補として◎の支持を多く集めているのは、前走でダノンプレミアムに敗れているステルヴィオだが」

大江原「前走のサウジアラビアRCは、レースの上がり3ハロンが11秒5−11秒5−11秒7という速いラップで、勝ち馬が2番手で流れに乗れていたのに対して、ステルヴィオはシンガリに近い後方を追走。そこからコンマ3秒差まで差を詰めたんだから、これは負けて強しだろう」

小桧山ステルヴィオの前走は、稍重とはいえ開幕週の高速仕様の馬場や外枠もあって流れに乗れず、直線だけの競馬になってしまったけど、勝ち馬をコンマ9秒も上回る最速の上がりだったわけだし、流れに乗れていれば届いたシーンもあったんじゃないかと思うぞ。デビューから3戦の手綱を取った鞍上から乗り替わるのは少し心配だとはいえ、人気ほどの力差はないと見たいな」

瀬古「僕もステルヴィオの前走は枠順の差だと思っています。真ん中を引き当てた今回は好枠と言っていいですし、逆転も十分可能ですよ」

西田ダノンプレミアムの強さについては認めざるを得ませんが、ステルヴィオは前走のような速いマイルの流れは本質的に忙しく、ペースが落ち着く阪神外回りのマイル戦の方がずっとレースがしやすいと思うので、その差も埋まる可能性は十分ありますね」

佐藤直「このレースでは阪神への移設前も含めて前走で東京戦を使っていた馬が圧倒的に優位なんだけど、中9週以上間隔があいていた馬は過去10年で11頭中僅か1連対しかないんだ。それに該当するサウジアラビアRC組で絶対、とは言えないデータだよな」

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競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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