オグリの奇跡、有終の豪脚ディープetc. 有馬記念引退レースをプレーバック
2003年シンボリクリスエス 初めて有馬当日に引退式
シンボリクリスエス(右)は9馬身の圧勝! 当日に引退式が行われるのも有馬記念では初めてのことだった 【写真は共同】
当時でもまだ賛否両論あったとは思うが、レース後の引退式も無事に行われ、このシンボリクリスエスの“成功”があったからこそ、現在では当たり前となった「レース後に引退式」の流れが出来上がったとも言える。レース後に引退式を行うことは、馬の負担を減らせる(引退式のためにまた調教で体を作らなくてもよく、トレセンに戻らずにそのまま牧場に旅立つことができる)というリスク軽減の理由から生み出されたもの。藤沢和調教師の先進的な取り組みは何も調教だけではなく、競走馬の人生そのものを見据えたものであることを示した見事なアイデアだった。
06年ディープインパクト&13年オルフェーヴル 最後も圧勝
両雄いずれも同年秋に凱旋門賞に挑戦し、勝利こそならなかったものの、ディープインパクトはジャパンカップ→有馬記念を連勝、オルフェーヴルはぶっつけの有馬で格の違いを見せつけた。
共通することと言えば、2頭ともに生涯最高のパフォーマンスを披露したのではないか――と思えるほどの走りを見せたこと。
ディープインパクトは最後もターフを“飛ぶ”走りでファンを沸かせた 【写真は共同】
オルフェーヴルは8馬身差の大楽勝! ラストまで破天荒な強さを見せてくれた 【写真:中原義史】
有馬記念後に行われた引退式にはいずれも5万人以上のファンが残り、別れの言葉を送った。この“強すぎる有馬”で強烈な印象を残しつつ去るからこそ、ディープ、オルフェの2頭は「日本競馬史上最強馬」の一角として、強い姿のままファンの記憶に残り、今もこれからも語り継がれていくに違いない。
ジェンティルドンナはオグリと同じく4番人気を覆しての復活V 【写真:中原義史】