大谷が米国で二刀流を成功させるには? 元メジャーリーガー藪恵壹氏が私案を披露
提案2:リリーフでの二刀流
自らの経験を基に、メジャーでの二刀流を提案した藪恵壹氏 【写真:BBM】
例えば3試合に一度、マウンドに上がるとすれば、1シーズンで50〜55試合が目安となり、ワンポイントもしくは1イニングプラスアルファで、60イニング前後。こちらのほうが先発と比較し登板数は増えますが、イニングは半減し、肩やヒジへの負担は圧倒的に軽減されると考えられます。長いシーズンを考えると、チームではリリーフ投手を休ませたい場面が出てきますが、そのようなときはいの一番に大谷に声がかかるでしょう。
リリーフならば、野手(DH)として試合に先発出場しながら、状況によって肩をつくり、そのままマウンドに向かうことも十分に考えられます。もちろん全試合は無理でしょうが、先発で20試合登板のパターンよりも、確実に打席数は多くなります。アルバート・プホルス、マイク・トラウトと、右の大砲2人がいるチームですから、大谷との強力クリーンアップを優先したいとソーシアが考えるならば、リリーフプランも“成功”となるのではないでしょうか。
ただこれを大谷選手が「面白い」と思えるかどうかがカギを握ります。また、野球がビジネスだと考えれば、先発→クローザー→ミドルリリーバーと評価(お金)が変わってきますから、この部分でも納得しない可能性(お金に執着しないイメージですが)もありますね。
どちらかに専念か、ルースを追うか
エンゼルスで大谷はどのような二刀流を見せてくれるのか。球団方針はもちろん、本人の意思にも注目したい 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】
長くMLBでプレーしようと思うならば、球数を減らすためにハードシンカーのような、1球で打たせられるボールをゆくゆくは覚える必要もあるでしょう。「肩は消耗品」の文化ですからね。しかも3年、4年とやっていくうちに、どちらかに専念することを提案される時期が来るのではないでしょうか。日本でのスタッツを見ても、悪くはないですが、各部門で突出した成績でもないのも確かですから、「もったいない」となるわけです。もしくはベーブ・ルースのような、大昔の記録を引っ張り出して、それにチャレンジさせるか。いずれにしても、今後のエンゼルスの方針にも注目です。