東海・両角監督「早く来い来い箱根駅伝」 “黄金世代”2年を中心に盤石の体制

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出雲駅伝優勝、全日本大学駅伝2位の東海大。箱根では総合優勝を目指す 【スポーツナビ】

 来年1月2、3日に開催される第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)に出場する東海大の記者会見が13日、神奈川・平塚の湘南キャンパスで行われた。

 今季は10月の出雲駅伝で10年ぶりの優勝、11月の全日本大学駅伝でも2位という成績を残し、箱根本戦でも優勝候補に挙げられる東海大。エントリー選手の1万メートル上位10人の平均タイムが21チーム中最速の28分43秒11で、そのスピードを支える“黄金世代”2年生が9人エントリーと、盤石の体制で箱根路へと臨む。

 同大を指揮する両角速監督は「年度当初、王者である青山学院を何とか倒そうと、『打倒・青山学院』という目標を立てて今日までやってきた。その成果はいくつか現れている」と今年度の3大駅伝の成績を高く評価した。一方で、「箱根は別物。学生たちも強化してきたスピードが箱根で通用するか」と兜の緒を締めつつも、「(本戦までの)心境は、遠足や運動会を迎える小学生のように、早く来ないかなと。『早く来い来い箱根駅伝』」とワクワクした気持ちでいると話した。

 主将の春日千速(4年)は「昨年度(の箱根駅伝)は悔しさばかりが残る10位だった。悔しさをかみしめながら、(今年度は)1つの大会で優勝することができた。例年になく力が上がっているのはもちろんで、個性的なチームになっている。その個性を駅伝という形で、それぞれがしっかり出し切り、チームとして結集できれば、箱根駅伝は2日間、面白いレースができる。チームの目標は優勝」と力強く宣言した。

 大会への不安材料を問われると、両角監督は「ほかの大学と違った強化をしており、極端に長い距離をさけて、割とスピードのある選手が多いのでどこまで通用するか」と全区間20キロを超える距離への適応力を挙げたが、それでも選手は走りきってくれると自信を持っていると語っている。

 以下、両角監督、主将の春日、2年生の關颯人、館澤亨次、阪口竜平、鬼塚翔太のコメント。

両角監督「最低でも3位以内。チャンスがあれば優勝」

両角速監督は「早く来い来い箱根駅伝」と期待して本戦の時を待つ 【スポーツナビ】

 本年度最後の大学3大駅伝の箱根を迎えますが、年度当初、王者である青山学院を何とか倒そうじゃないかということで、『打倒・青山学院』という目標を立てて今日までやってきました。その成果はいくつか現れていますが、特に出雲駅伝で優勝できたことと、全日本大学駅伝は2位に甘んじましたが、チームとしては(03年の)優勝に次ぐ同校2番目の成績で戦えたということ、それを持ってして箱根駅伝という形になりました。

 私は就任7年目。当初から何とか世界に通ずる選手を育成できないか、また卒業後も競技を長くやっていける選手であってほしいと、そういう願いのもと、20歳前後の若い選手にきちんとスピードを身に付けさせて、将来の可能性や伸び代というものを育んで卒業させてあげたいという思いでやってきました。

 多くの大学が箱根駅伝をメインに据えて、長い距離で失敗しない駅伝に主眼をおいている練習かと思います。われわれはトラックでのスピード強化を重点を置きまして、そういう形で勝負できないだろうかとチャレンジをしております。

 1500メートル、5000メートル、1万メートル、ハーフマラソンと主要な種目で、上位10人の平均タイムは関東の大学で1番になっております。日本選手権の1500メートルにおいて館澤亨次が優勝、3000メートル障害で三上嵩斗(3年)が5位とトラックにおいても一応の成果を出せてきています。今後もこの方針を変えずにやっていき、東海大における一つの選手育成の魅力としてやっていきたいと思います。

 また海外のレースに積極的に参加したり、高地トレーニングを行ったりすることもわれわれの特徴かと思っています。そういうことで、力をつけてきたチームがどこまで箱根駅伝で通用するか、正直、箱根は別物かなと思っております。学生たちも自分たちが強化してきたスピードが箱根で通用するか、この3週間はワクワクした気持ちで迎えると思います。心境は遠足や運動会を迎える小学生のような、早く来ないかなと、そんな心境ではないかと思います。私もそういう気持ちでやっており、『早く来い来い箱根駅伝』ではないですけれども、そんな心境で今日を迎えることができました。残り3週間ほどになりましたが、コンディションを上げて、最低でも3位以内。チャンスがあれば優勝と、しっかり見据えて攻めのレース、失敗を恐れないレースをしたいと思います。

春日主将「出雲の再現。王座を取りにいく」

 東海大学は昨年度の箱根駅伝で10位、シード権をギリギリで獲得し、今年度の箱根に出場できます。昨年度は悔しさばかりが残る10位ではありましたが、今年度は2つの大会を終えて、出雲駅伝で優勝、全日本で2位と、昨年度の10位という結果から悔しさをかみしめながら、1つの大会で優勝することができました。

 監督からこのチームはスピード強化に重点を置いているとありましたが、例年になく、力が上がっているのはもちろんですが、個性的なチームになっていると思っています。スピード強化に力を入れている選手、ハーフマラソン中心に走り込んできた選手と、さまざまな自分の得意な距離、特徴を伸ばしながら結果を出している思います。その個性を駅伝という形で、それぞれがしっかり出し切って、チームとして結集できれば、箱根駅伝は2日間、面白いレースができると思います。チームの目標は優勝を狙っています。

 打倒・青山学院という目標を掲げて、勝ちたい、倒したいというスローガンを掲げました。全日本大学駅伝では神奈川大に遅れを取る結果で悔しさもありましたが、全日本2位という結果から、もう一度、出雲の再現ではないですが、王座を取りにいく気持ちで16人で頑張っていこうと思います。

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