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変化と進化を続ける“王道”の17年
諏訪魔&石川が最強タッグリーグ制覇

ベテランの底力と若手の躍進が目立った1年

全日本の今年最後となる聖地興行では、最強タッグリーグ最終戦の熱戦が展開された
全日本の今年最後となる聖地興行では、最強タッグリーグ最終戦の熱戦が展開された【写真:SHUHEI YOKOTA】

 全日本プロレスの年末の風物詩「2017 世界最強タッグ決定リーグ戦」最終戦となる12日の東京・後楽園ホール大会では、今年最後となる聖地興行に満員の観客が詰め掛け、熱戦の連続と「オリンピア」の音色に酔いしれた。


 今年の全日本プロレスは、ベテランの底力と若手の躍進が目立った1年だった。


 団体の看板ともいえる三冠ヘビー級王座では、平成生まれの若きエース・宮原健斗の長期政権にフリーの石川修司がストップをかけ、大きな衝撃を与えた。石川は27歳でデビューした遅咲きのインディー戦士。巨体でありながら心優しいキャラクターでファンから愛され、DDTプロレスリングや大日本プロレスを主戦場に数々のタイトルを獲得。15年1月に全日本マット初参戦を果たすと、その大きな体を生かしてトップレスラーたちと真っ向から渡り合う姿が高い評価を獲得。今年の「チャンピオン・カーニバル2017」では、堂々の優勝を果たし、その勢いで宮原から三冠王座を奪取した。


 インディー畑を歩んできた石川の三冠王座戴冠は、団体内外の選手に大いなる刺激を与え、また、新たなファン層の掘り起こしにもつながった。その後、三冠王座には宮原、諏訪魔が返り咲くも短期間で手放し、現在はジョー・ドーリングが保持。ドーリングもまた、悪性脳腫瘍からの奇跡の復活で、多くの人々に勇気を与えた。

ベテラン、中堅、若手、他団体が混ざり合い新鮮な化学変化

秋山(左)と大森(左から2番目)というデビュー25周年を迎えた2人がタッグ王者として君臨している
秋山(左)と大森(左から2番目)というデビュー25周年を迎えた2人がタッグ王者として君臨している【写真:SHUHEI YOKOTA】

 世界タッグ王座では、10月に秋山準&大森隆男の48歳同期コンビが戴冠。両者は共にデビュー25周年を迎えているが、まだまだ気力・体力は衰えず。社長自らがリング内外でハッパをかけることで、選手たちの発奮材料となっている。


 世界ジュニアヘビー級王座では、TAJIRI、ウルティモ・ドラゴンという世界で名を上げた元スーパースターや、新戦力の加入により、一気に活性化してきた。2月の「Jr.BATTLE OF GLORY」覇者の岩本煌史や、11月の「Jr.TAG BATTLE OF GLORY」優勝チームの竹田誠志&丸山敦組などもタイトルを狙っており、タイトル争いも混沌としてきそうだ。


 また、アジアタッグ王座では、渕正信&大仁田厚の合計121歳コンビから、野村直矢&青柳優馬の合計44歳(戴冠当時)コンビまで、年齢もキャリアも所属団体も幅広いタッグチームが戴冠&挑戦。野村&青柳組は、最強タッグ公式戦の12.9新潟で現世界タッグ王者組である秋山&大森組から勝利を挙げており、来年はさらに飛躍が期待される。


 現在の全日本マットは、ベテラン、中堅、若手、他団体が混ざり合い、常に新鮮な化学変化が起きている。生え抜きも育てつつ、インディー出身も受け入れ、他団体で「戦力外通知」を受けた選手を再生させ、さらには他団体に離脱した「裏切り者」の出戻りも容認。所属選手でなくても、実力とチャンスがあればベルトを巻くことができる、実に夢のあるリングだ。来年は毎年恒例の1月2日&3日の後楽園ホール新春興行2連戦を皮切りに、2.3神奈川・横浜文化体育館、3.25埼玉・さいたまスーパーアリーナなど、ビッグマッチも決定。創立45周年を迎えた老舗団体でありながら、変化と進化を続ける王道マットは、2018年も期待大だ。

高木裕美

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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