【ボクシング】初の国外試合で世界王座奪取を狙う尾川 正統派強打者・尾川vs.技巧派・ファーマー
米国でIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦に挑む尾川堅一 【(C)NAOKI FUKUDA】
「この試合は通過点」と自信の尾川
復帰2戦目では因縁の相手に1回TKOでリベンジし、14年には再び日本ランキング入り。15年9月には無敗の世界ランカーにも右ストレートを浴びせて鮮やかな10回TKO勝ちを収め、代わって世界15傑入りを果たした。次戦ではサウスポーの技巧派、内藤律樹(E&Jカシアス)に5回負傷判定勝ちを収め、日本王座を獲得。連続KOは8でストップしたが、実力が日本一であることを証明してみせた。その後は内藤との再戦を制するなど5度防衛。10月には6度目の防衛戦も決まっていた。
しかし、IBF王者だったジャーボンテイ・デービス(23=米国)が防衛戦を前に体重オーバーのため計量で失格。試合には勝ったものの王座は空位になった。こうした経緯があって4位の尾川に王座決定戦のチャンスが転がり込んだわけだ。「こんなところで立ち止まってはいられないという気持ち。ベルトを取って当たり前と思っているので、これを通過点にする」と尾川は自信を口にしている。すでに3日に試合地のラスベガスに到着し、最終調整に励んでいるところだ。
右手を撃たれながら軽傷で済んだファーマー
テビン・ファーマー(左から2番目)はKO率こそ高くはないが、連勝を積み重ねて世界王座決定戦に名乗りを上げている 【Getty Images】
このファーマー、実は7月末にトラブルに巻き込まれ、あわや選手生命の危機、という状況に陥ったことがあった。近所に住む男に撃たれ、右手を負傷したのだ。幸い当たりどころが良かったのか、骨にも腱にも異常がなく大きなブランクをつくらずに済んだ。そのケガが癒えたころにデービスの失態で王座が空位になり、決定戦のチャンスが転がり込んだのだからファーマーも幸運の持ち主といえよう。
ともにラスベガスでの試合は初めてだが、ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれのファーマーに対し、尾川は東京を出て戦うのが初めてとなる。減量を含め、まずは万全のコンディションでリングに上がることが最初のカギといえる。
右ストレートに一発KOの破壊力を持つ正統派強打者の尾川と、ディフェンスに絶対の自信を持つ技巧派サウスポーのファーマー。対照的なタイプ2人による試合だけに、どちらが早い段階で主導権を握るかという点が実際の試合での大きなカギになる。尾川とすれば序盤で右を当てて勝負を決めてしまうか、あるいは大きなダメージを与えておきたいところだ。逆に序盤でファーマーにペースを握られるようだと厳しい展開を覚悟する必要があるだろう。尾川は「フックでもストレートでも、感触のある右が当たれば倒せる」と自信をみせる。勝てば10月にWBA世界ミドル級王座を獲得した村田諒太に続き、帝拳ジム13人目の世界王者が誕生することになる。
Written by ボクシングライター原功
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IBF世界S・フェザー級王座決定戦
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