アンデルセン監督が率いる北朝鮮代表の今 E−1選手権は「真価」を問われる場に
成績は低迷も、選手たちは日本戦に意欲を示す
アジアカップ予選を戦っている北朝鮮代表。レバノンに大量失点を喫するなど、成績は安定しない 【写真:ロイター/アフロ】
ただ、成績は低迷している。
今年6月から始まったAFCアジアカップ2019の最終予選では、香港、レバノンを相手に3戦を戦って2分け1敗。1試合も勝ち星も挙げられず、レバノンには0−5と大量失点を喫して敗れている。11月10日と13日に行われた同予選で、マレーシアに2連勝(いずれも4−1)したものの、格下相手の勝利だけに、まだ満足できる状況とは言えないだろう。
「たしかに、代表チームが置かれている状況は、決していいとは言えません。レバノンに0−5で敗れたことはショックでしたよ。僕の代表キャリアの中でも、初めて経験したスコアでしたから。マレーシアには連勝しましたが、その結果よりも、2試合とも1点を失っていることを注視すべきでしょう。アジアカップ予選とはいえ、W杯予選と同じレベルで戦えなければ、上を目指すことはできません。
目指しているのは、あくまで22年のW杯カタール大会。僕個人としても、W杯に出場することは大きな目標です。だからこそ、ロシア行きを決めた日本と韓国をはじめ、アジアでもトップレベルの3カ国と対戦できる今回のE−1選手権は、チームにとって良い機会になるでしょう。強い相手と戦わなければ、本当の実力も課題も見えないので、この大会で良いところも悪いところも、すべてを出し切りたい。
もちろん、チームの実力を確かめるだけで大会を終えるつもりはありません。勝って結果を残すからこそ、自信も生まれる。その自信が、22年のW杯にもつながるのではないでしょうか」
アジア上位国と対戦する初めての機会となるE−1選手権。日本戦は並々ならぬ覚悟を持って臨むつもりだ 【写真:ロイター/アフロ】
「日本戦では、代表選手たちの目つきが明らかに変わります。底知れぬパワーが出るんです。日本で生まれ育った僕にとっても、日本の地で日本代表と戦うことには特別な意味がある。出場できるかは分かりませんが、日本中の人々に何かを感じてもらえるような試合にしたいです。死ぬ気で勝ちにいきます」
果たして、アンデルセン監督率いる北朝鮮代表は、東アジアのトップチームを相手にどのようなサッカーを見せるのか。東アジアの“古豪”の再起を期待したい。