【大仁田反省会】レフェリー大仁田が現役復帰並みの大暴れ リング復帰は完全否定も4月に新たな動き
「7年ぶり7度目の引退」となった大仁田厚がレフェリーとして再びリングへ 【写真:前島康人】
「プロレスラーとしてリングに上がることはない」と、この日も現役復帰は完全否定したが、レフェリーデビュー戦では、テーブル上でのパイルドライバーや有刺鉄線バット攻撃、さらには毒霧まで噴射する“グレーゾーン”の大活躍を見せ、試合後にはおなじみの“大仁田劇場”まで繰り広げた。
注目度が高かった7度目の引退
ファンや報道陣が取り囲み、注目度の高さが伺えた 【写真:前島康人】
「7年ぶり7度目」という、甲子園や紅白歌合戦の出場回数のような引退の頻度には驚きだが、やはり今回の引退について特筆すべきは、7年前の6度目の引退(10年5.5新木場)の時より、圧倒的に注目度が上がっていることだろう。7年前は、2度目の引退試合での対戦を直前にキャンセルされた因縁のターザン後藤との再会を果たしたにも関わらず、ほとんどマスコミに取り上げられることはなかった。だが、6度目の復帰後、元横綱の曙や元UWF戦士の高山善廣らを電流爆破のリングに引っ張り上げ、15年からは「超花火」シリーズを本格的にスタートさせたことで、再びマスコミやファンが注目。引退試合では、超満員の観客が聖地を埋め尽くす中、「胸いっぱいのプロレス」を体現し、試合中からリングサイドを観客が取り囲む熱狂空間を生み出した。
「ゴングの後に試合をやってるんだから復帰だろ」
トークセッションでは「引退試合」を振り返った 【写真:前島康人】
引退した選手が大会をプロデュースする例では、アントニオ猪木のように自ら団体を設立して選手を育成する場合や、小橋建太の「Fortune Dream」のように、既存の団体の所属選手に声をかけて試合を組む場合などがあり、どちらも本人がリング上でパフォーマンスやトークバトルを行うが、もちろん、試合出場はなし。また、元プロレスラーがレフェリーを行う例としては、新日本プロレスの故・山本小鉄さんや故・柴田勝久さん、DRAGON GATEの八木隆行(ベーカリー八木)、MIO(紫雷美央)のように、本格的にレフェリーに転向する場合もあるが、工藤めぐみや北斗晶のように、特別に試合限定で行うパターンがほとんどだ。
「大仁田反省会」では、まずは雷神矢口、橋本友彦と共に、引退試合となった10.31後楽園大会の映像を振り返りながらトークイベントを実施。入場の時に着用した、赤いちゃんちゃんこならぬ赤い皮ジャンについては「上野のアメ横で買ってきた」、母・松原巾江さんが登場し、思わず号泣したシーンについては「母ちゃんがファンの人と何十人も握手して、翌日腱鞘炎になって湿布を貼っていた」という、隠れエピソードを披露。前代未聞となった試合前の10カウントゴングについては、「ゴングの後に試合をやってるんだから、復帰だろ」と意外な盲点を突いた上で、「10カウントゴングって、他人のだと早いけど、自分のだと遅く感じるな」と、率直な感想をカミングアウトした。
引退試合の映像では、「藤田もこの試合、楽しそうだな」と、ストリートファイトでイキイキと戦う藤田和之の姿に手応えを感じつつ、サンダーファイヤーパワーボム合計7発を食らったNOSAWA論外には、「オレの方が疲れたよ」と本音も吐露。最後に3カウントが入った後、NOSAWAと手を繋いでいた場面では「男と男っていいものだな。オレは論外大好きだよ」と、“最後の対戦相手”に敬意を表した。試合後の“大仁田劇場”についても、マイクパフォーマンスの内容に「意味不明だよな。でも、感じればいいんだよ」、マイクをリングに投げつけた場面には「オレ、何個マイク壊したんだろうな」と、自らツッコミを入れまくった。
VTR終了後、橋本に「で、復帰しないんですか」とストレートに質問されると、大仁田は「しない」とキッパリ。「人間、大事なことは溜めて溜めて爆発させること。たぶん、4月ごろに何かあります」と、プロレス復帰とは違う、新たな動きを匂わせた。