名手ライアン・ムーアをデータで丸裸 馬券を買うならこの条件を狙え!

JRA-VANデータラボ

世界屈指の名手を分析

 世界屈指の名手と呼ばれるイギリスのライアン・ムーア騎手は、この秋も短期免許を取得して来日。今回はそのムーア騎手についてのデータを調べてみたい。集計期間は、ムーア騎手の騎乗が増えた2012年から2017年11月26日まで。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

年度別成績

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1はムーア騎手の年度別成績。昨年までは勝率が右肩上がりとなっており、日本競馬に慣れるほどに上昇していることがうかがえる。ただし、今年は勝率が若干ダウン。1番人気で9連敗を喫するなど、不調をささやく声も聞こえた。もっとも、11月25日(土曜)には東京競馬場で1日6勝の荒稼ぎ。あくまで一時的な不調にすぎなかったと考えるべきかもしれない。

 続いて回収率を見ていく。2012年は単勝回収率90%、複勝回収率126%という高い数値を記録しており、当時はその実力が知れ渡っていなかった様子が見てとれる。2013年以降は、単複ともに70%前後の回収率に収まることが多く、人気を集めるようになったことがわかる。とはいえ、勝率を落とした今年でも複勝率50.0%と、2回に1回は馬券圏内に入ってくる計算。やはり、ムーア騎手の騎乗馬を軽視するわけにはいかなそうだ。

競馬場別成績

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2は、競馬場別成績を芝ダートに分けて示したもの。芝に関しては中山と中京の数値が優秀で、阪神も回収率が高い。この3競馬場に共通するのは、直線に急坂が設けられていること。ムーア騎手はイギリス出身で起伏に富んだ芝コースには慣れているだけに、この傾向には納得できる。一方、騎乗機会がもっとも多い東京芝の数値がそれほどでもないことは、来年以降に向けて覚えておいてもいいだろう。

 ダートは東京の好走率が高い。それ以上に優秀なのが中京で、芝ダートを問わない得意競馬場と考えてもよさそうだ。反面、中山と京都はひと息。関東の開催は今週末から中山に移るが、ムーア騎手はダートより芝のほう狙いやすそうだ。

距離別成績

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は、距離別成績を芝ダートに分けて示したもの。芝でもっとも安定しているのは「1700〜2000m」。単勝回収率92%もムーア騎手にしては高く、芝ではいちばん買いやすい距離といえそうだ。一方、「1000〜1300m」や「2100〜2400m」では勝率が下がり、特に単勝回収率が振るわない。なお、「2500m〜」で挙げた3勝は、すべてアルバート(15、16年ステイヤーズS、17年ダイヤモンドS)によるものとなっている。

 ダートでは距離による好走率の差はそれほど見られない。そのなかで得意なのは「1400〜1600m」で、若干数字が落ちるのは「1700〜2000m」や「2100〜2400m」。ただし、今週末からの中山では、ダートで得意とする「1400〜1600m」の設定がない。前項でも述べた通り、やはり中山のムーア騎手は芝を中心に狙うのがベターなのかもしれない。

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