リーダー花月の野望はスターダム侵略「大江戸隊を有名なブランドに!」

スポーツナビ

11月からスターダムの所属となった大江戸隊のリーダー・花月にインタビュー 【スポーツナビ】

 女子プロレス団体スターダムで、自由奔放に暴れまわるユニット「大江戸隊」。そのリーダーを務めているのが花月だ。

 2014年末にセンダイガールズプロレスを退団しフリーに。その後は多くの団体をわたり歩き、16年3月新木場大会の美邑弘海戦で久しぶりのスターダム参戦となると、続けて松本浩代とのタッグでサンダーロック(紫雷イオ、岩谷麻優)のゴッデス・オブ・スターダム王座(タッグ王座)に挑戦するも敗退。すると、木村響子らの熱烈な誘いから大江戸隊への加入となった。

 加入後はすぐさま木村とのタッグで、サンダーロックの連続防衛記録をストップし王座戴冠。さらに木村花を加えた3人では、イオ&岩谷&宝城カイリ(現カイリ・セイン)が持っていたアーティスト・オブ・スターダム王座(6人タッグ王座)も獲得し、一気に団体の最前線に立った。

 木村響子の引退後は大江戸隊リーダーに。花、クリス・ウルフ、中野たむといった“絆”で結ばれたメンバーと一緒に暴れ回っている。そして11月1日からスターダム所属となり、さらに団体内での存在感が増しそうな予感だ。

 今回はそんな花月に単独インタビュー。所属になった理由や、大江戸隊の今後、個人的な野望について聞いた。

練習のピリピリ感にギャップを感じた

フリーになってからいろいろな団体をわたり歩いた花月。その中でスターダムに魅かれるところがあった 【スポーツナビ】

――この11月よりスターダム所属となりましたが、この決心にいたるまで、スターダムの印象というのはどういうものだったのでしょうか?

 仙女の頃、何回か練習に参加させてもらったことがあって、練習がすごかったんですよ。その頃は東京に出ると、いろいろな団体の練習に参加させてもらっていたのですが、当時は高橋奈七永さん、夏樹たいようさんもいらっしゃったのですが、なんとなく「ちゃらちゃらしている」ように見えていたのですが、練習を見たら「すげーな」と。それでこの団体だったら試合に出る意味もあるのかなと思ったのがきっかけですね。

――スポーツナビとしては、花月選手がまだ仙女に在籍されていた頃、インタビュー取材をさせていただきました。その当時は、世代闘争だったり、仙女の代表・里村明衣子選手という壁を越えられずもがいていましたよね?

 そうですね。そうやって悩んでいたときに、いろいろな団体に触れていこうと思っていました。練習を見たときには宝城とかイオ、ほかにも選手がいろいろいましたが、思ったよりピリピリ感があって、その第一印象に魅かれたところもあります。「見た目だけじゃない」というギャップですかね。

――16年からレギュラー参戦となりますが、その頃は他団体でも試合されていました。ほかとスターダムとの違いはどこに感じましたか?

 最初の相手が美邑弘海だったのですが、その時の印象は、何をやってもお客さんが喜んでくれるというのが強くて、ドロップキック1発でお客さんが喜んでくれる、エルボー一発ですごくわき上がる。「何て戦いやすいリングなんだ!」ってすごく思いましたね。

――なるほど。印象が強かったのがスターダムファンだったのですね。

 アウェー感は強かったですけど、それをすべて消し取られた初戦でした。

大っ嫌いなレスラー像がクセになった

元々は大っ嫌いだった2面性を持ったプロレスラー。しかし実際にやってみるとクセになったと話す 【写真:前島康人】

――そこから大江戸隊への加入となりますが、最初から大江戸隊は気になっていたのですか?

 実は自分が一番、大っ嫌いなレスラー像があって、こっちではベビーフェイス、こっちではヒールみたいな。「何だそれ!」という、そういうスタイルが嫌いだったんです。だから最初に勧誘されたときには「絶対ない!」と即答で答えました。いくら木村響子さんに誘われても、「入るつもりはない」と言っていました。ただ、新木場大会(16年4月)の時に、バットを頂いたんですよ、リング上で。そうしたらコロッと変わっちゃいましたね(笑)。野球が好きなんです! 野球が大好きで小さい頃に少年野球をしていて、普段から観に行くし、それでバットをわたされた瞬間に気持ちが変わってしまって、これは入るしかないと。

――何気に先ほどの2面性の話で言うと、他団体では凶器で殴られ続けていましたよね? そのうっ憤とかもありましたか?

 そうなんです! 違うところで学べているから一石二鳥でした(笑)。

――ただ「大っ嫌い」なレスラー像に自分が当てはまってしまい、葛藤はなかったですか?

 それがですね、2面性が楽しかったんですよ! もちろんお客さんからの賛否はありましたし、自分も反対派だったのですが、でもいざ自分がやってみると、すごく楽しくて。片や凶器でやられ続け、そのうっ憤をこちらで返せる、みたいな(笑)。それがクセになって、しばらく続けようと思いましたね。

岩谷、イオへの思い

岩谷(右)とは初めて試合をした時に「目指しているものが一緒の選手」だと感じた 【写真:前島康人】

――そんな中、スターダムでタッグ王座、6人タッグ王座も取りました。さらにハイスピード王座では岩谷選手と名勝負を繰り広げましたよね。先日、岩谷選手にインタビューをしたら、「また花月とハイスピードで戦いたい」という話もしていました。

 おー! はい、お願いします(笑)。
 岩谷に関しては、最初は全然興味がありませんでした。全然興味がなくて、ヒョロヒョロだなコイツ、って。ただスターダムに関わる前から、風のうわさで、「岩谷っていう子は、練習しないのに、一番ケガをしない」という話を聞いていました。だからあんなヒョロヒョロなんだなと。でも初めて試合をしたとき、肌を合わせて感じたのが、「コイツとは目指しているところが一緒だ」というか、見せたいものが一緒という感覚がありました。口では言い表せないんですけど、試合を重ねるうちに、「コイツ、やりおるな」と。
 基本、後輩にそういうのを感じないのですが、それこそOSAKA女子の下野佐和子にはベルトを奪われたことがあったのですが、下野以外では初めて後輩で目をつけた選手です。今でも特別な存在ですね。

――あと花月選手がレギュラー参戦してからは、やはり団体のトップに立っているのが紫雷イオ選手だと思います。イオ選手についてはどんな印象だったのでしょうか?

 自分が目指したいプロレスがイオだったりするんですよね。昔は「どんな選手になりたい?」とたずねられると、「いない」と言い切っちゃてたんですけど、でも心の中ではルチャ系のプロレスが好きで、そういうのもいいなと。今は岩谷とイオを足したようなプロレスが好きだなと思っています。
 イオに対しては、先日の自主興行(10月29日、大阪市立淀川区民センター)でもリング上で伝えたのですが、フリーになってからすごく悩んでいたときに、相談に乗ってくれて引退を止めて頂いたり、アドバイスも頂いて、すごく恩を感じています。

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