新種牡馬カナロア、オルフェの仔は走る? 両産駒のここまでの成績・傾向を総まとめ

JRA-VANデータラボ

G1に向けてますます加熱する2歳戦

 12月の阪神JF、朝日杯FS、そしてG1に昇格したホープフルSに向けて、2歳戦が数多く組まれている。今年から産駒がデビューする新種牡馬の中でも、特に期待が大きいのがロードカナロア産駒とオルフェーヴル産駒。ともに現役時代に国内外を問わず、大活躍した両馬の仔に注目が集めるのも当然といえるだろう。今回のデータde出〜たでは、その両産駒のこれまでの2歳戦の傾向を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

ロードカナロア産駒とオルフェーヴル産駒の2歳戦成績(11/5終了時点)

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1はロードカナロア産駒とオルフェーヴル産駒の2歳戦成績一覧。まずロードカナロア産駒は32勝のディープインパクト産駒に次ぐ23勝と勝利数で2位に入っている。また、ロードカナロア産駒は勝率・連対率・複勝率いずれも非常に高い。早期から完成度が高い産駒が多いということだろう。ロードカナロア自身が現役時代すべて3着以内で崩れなかったように、平均点の高い優等生タイプの産駒が多い特徴があるようだ。

 対して、オルフェーヴル産駒は2歳戦勝利数ランキングで15位タイの7勝。ただし、重賞勝利数は2勝で、キンシャサノキセキ産駒と並んで最多となっている。ロックディスタウン(札幌2歳S)、ラッキーライラック(アルテミスS)と、ともに牝馬が重賞を制している。オルフェーヴル自身も京王杯2歳Sで10着大敗を喫するなど本格化するまでにやや時間が掛かっており、産駒も今後の成長力に期待する部分が大きいだろう。

 では、それぞれの産駒の特徴を掘り下げて見ていくことにしよう。

ロードカナロア産駒の距離別成績(11/5終了時点)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2はロードカナロア産駒の距離別成績。1400m戦・1600m戦で最多タイの8勝をあげており、1200m戦では5勝にとどまっている。ロードカナロアが安田記念を制しているように1200m専門というわけではなく、産駒は距離の融通性を持っているようだ。1200mよりもむしろ1600mを中心にその前後の距離で好成績を示していると見た方が良いのだろう。1800m以上の距離にも十分に対応できており、3歳以降になっても期待できる部分は大きい。

ロードカナロア産駒のクラス別成績(11/5終了時点)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3はロードカナロア産駒のクラス別成績。出走数が最も多い新馬戦よりも未勝利戦の勝利数が多く、勝率・連対率・複勝率いずれも上回っている点に注目。新馬戦で結果が出なくても元々の能力が高いタイプが多いため、未勝利戦での期待値が高くなっている。

 また、500万下・オープン特別でも2勝ずつで非常に安定した好成績を残している。重賞は5頭挑戦してサウジアラビアRCにおけるステルヴィオの2着が最高成績だが、制覇するのも時間の問題だろう。ステルヴィオも新馬・コスモス賞と連勝、前走では後方から上がり最速の33秒5の脚で2着に突っ込んでおり、暮れの2歳G1でも楽しみな一頭だ。

ロードカナロア産駒の母父別成績(11/5終了時点)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4はロードカナロア産駒の母父別成績。母父クロフネがサフラン賞を勝利したレッドレグナントら最多の4勝をあげており、複勝率90%と非常に高い。これら表に黄色で強調したのは母父ノーザンダンサー系の種牡馬。軒並み好成績を示しており、単勝回収率・複勝回収率ともに優秀だ。ロードカナロア産駒は母父ノーザンダンサー系と非常に好相性というのは頭に入れておきたい。

 また、母父がサンデーサイレンスならびにその後継種牡馬の場合は勝ち切れないケースも多々あるようだ。

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