ハリル「2〜3人入れ替える可能性がある」 親善試合 ベルギー戦前日会見
守備ブロックはゲームの状況に合わせて作るもの
ハリルホジッチ監督はブラジル戦後、選手から守備ブロックの作り方について質問があったことを明かした 【スポーツナビ】
選手たちにも同じような質問をされた(笑)。いつハイプレスをかけるのか。いつ下がってブロックを作るのか。それは「ゲームの状況」が決めることだ。ハイプレスをかけるのか、ミドルブロックを形成するのか、ローブロックにするのか。それは私が「ここで作りなさい」と決めることではなくて、ゲームの状況に合わせて作るものだ。つまりブロックは「ハイ」「ミドル」「ロー」と3つあるが、自分たちで決めることではなく、相手を見ながら状況によって形成する位置を決めるのだ。私ではない。もちろん、タッチラインから「前からいけ」「戻ってこい」といった指示も出すが、それが聞こえなかったり、聞こうとされていなかったのかは分からないが、伝わっていないことがある。
ただ、いずれにしても走らなければならない。プレッシングというのは組織プレーであり、しっかりとトレーニングしなければならない。ゲームの読み、戦術、そして献身性といったものがなければできないものだ。ハイプレスというのはいい守り方だと思うが、リスクを伴う。全体でいいポジションからハードワークをしながらやらなければ、ブラジルやベルギーのようなチームはそこから抜け出してカウンターでチャンスを作り出すことができる。そのようなチャンスを先日のブラジルは作っていた。特に3点目、それ以外にもチャンスがあった。
よって、いつどのようにプレスをかけるのかということは選手にも聞かれたが、「開始8分でハイプレス」というような指示の出し方はしていない。これはゲームコントロール、ゲームマネジメント次第だ。
――W杯の抽選会で日本はポット4に入る。つまり、グループリーグはすべて日本より強いチームと戦うことになるのだが、すべてハリルホジッチ監督の目指す堅守速攻スタイルで戦うことになるのか?
日本がW杯への出場を決めれば、おそらく第4ポットに入るだろうと予測していた。この前の試合に関しても、後半はブラジルが落としたから日本がプレーできたというふうに評価している方々もいるが、ブラジルが日本より強いことがここで発見されたかのような発言もあった。われわれは優勝候補やグループリーグ突破の(有力)候補ではない状況から3チームと対戦し、少なくとも2試合で結果を残さなければならない。抽選の結果がどのようなものになっても、われわれにとって難しい状況ではあると思う。3チームともわれわれより上位のチームになるだろう。
私はブラジル(W杯)でそのような経験をした。アルジェリアにいたときにベルギーと同じグループになったが、2位になった。そのチームに対してあと少しで勝てるところまで、74分まで試合をリードしていたが、その後に引き過ぎたためにベルギーがそこを突いてきた(アルジェリアは1−2で逆転負け)。それがゲームコントロールだ。恐れて引いてしまうと、そういうことになってしまうこともある。勝つことを恐れるようになってはいけない。それは日本にとって難しい状況だ。
だからW杯に向けて、これからもチームに変化をもたらしていかなければならないと思う。テクニックや戦術のみならず、メンタルやフィジカルの部分でも伸ばさなければいけない。ブラジル戦の立ち上がり20分間が偶然、あのような形になったのかも考えなければならない。あの試合では守備の選手たちが15〜16回ボールを失った試合でもあった。そのような形がどこからくるのか私は分かっているつもりだ。そして、そこはしっかりと修正して準備しなければいけない。
このような試合は、われわれが学ぶ場でもある。モダンサッカーでは何が要求されるのかが分かるし、その他にもスピードや戦い、チームの形を崩さずに戦う部分やメンタル的なところは非常に重要になると思う。いくらクオリティーが高くても、迷いがあればその試合は失敗することになる。ただ、1試合では何が起こってもおかしくはない。日本がW杯に出場することは当たり前になっていて、出場が決まった今となっては簡単だったと思っている方がいらっしゃるかもしれない。
ブラジル戦の後半、われわれのプレーが普通だったと評価する人がいるかもしれないが、後半は得点を取って取り消された得点もあった。その得点が取り消されるべきだったかは私には分からないが。それに加えて浅野(拓磨)の決定機もあった。それらは後半にブラジルが(ペースを)落として、日本にプレーをさせたという評価がある。そのような結論を出した方々がいるとお聞きしたが、私はそうは思わない。私はブラジル戦の後半に見せた日本の戦いに誇りを持っている。その試合の前にブラジルの試合を12〜13試合見たが、日本が作ったような大きなチャンスを作ったチームはなかった。アルゼンチンもそこまでチャンスを作っていなかった。日本の後半のパフォーマンスを過小評価している方々がいたとしても、私は選手の戦術的、メンタル的クオリティーに満足できるものがあった。不運なことにそれを得点につなげることはできなかった。
立ち上がり20分(正確には前半36分)で0−3にされ、さらにその中で2回もPKがあった。リスタートからの失点と、さらに(左利きの)マルセロの右足のシュートだった。本人も右足でのゴールに驚いたことだろう。立ち上がりの20分間ももちろん分析しなければならない。3失点目もわれわれがいい形を作る中でミスがあり、失点をした。そのようなところからはしっかりと教訓を得なければいけないし、ベルギー戦も同様だ。
「ブラジルは強かった」と初めてそこで気付いたかのような方もいたかもしれないが、ブラジルは格上のチームであり、ベルギーもそうだ。そしてこのようなチームとロシアのW杯で当たるかもしれない。しっかりと自信を持って勇敢に戦えるようにしなければならない。それができないと言うのであれば、私はW杯には行けない、戦えないと思う。後半、われわれは偉業を成し遂げるチャンスがあったと思う。日本が活躍して3−3になっていたとしても、ブラジルが落としたからと言われるかもしれないが、われわれはブラジル戦のハーフタイムに選手たちには「まず1点取りにいこう。1点取れれば2点目、3点目のチャンスは必ず訪れる」と言った。無効になった得点は非常に微妙な判定だったと思う。
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