三冠王・王柏融ら若きスターずらり アジアの頂点を狙う台湾代表
直前合宿のNPBロッテ戦は3連敗
2年連続打率4割を超すなど“大王”の異名を取るLamigo王柏融。ロッテとの練習試合では不振に陥ったが、日本のファンの前で、台湾を代表する強打者の実力を示してもらいたい 【CPBL(中華職業棒球大連盟)】
陳冠宇、林樺慶、林政賢の各先発投手がいずれも先制を許し、5回を持たずに降板となった。結果、3戦目は、連投となった救援陣に負担が掛かり、終盤にダメ押し点を奪われた。投手陣は3試合で19四球を出し、31安打を浴びた。
投手陣の中には、CPBL使用球よりも「縫い目が太く、大きく、粘り気を感じる」大会使用球への適応に苦しんだ選手もいるようだが、呉俊良(ウー・ジュンリャーン)投手コーチは「慣れていくしかない」と対策を挙げた。
また、頼みの打線も、1戦目、2戦目は、安打数こそロッテとほぼ互角ながら、畳み掛けることができず、3戦目は散発5安打に終わった。中でも心配なのは“大王”王柏融だ。。ストレートには詰まらされ、タテの変化球にバットは空を切り、3試合で12打数1安打5三振。唯一のヒットも内野安打だった。
王柏融は、プレッシャーについては否定したものの、不調でタイミングが合っていないことを認めた。そして、「シーズン中のスランプと同様で、大きな問題ではない。日本についてからの2日間でしっかり調整したい。次の試合で1本いい打球が打てれば、感覚はすぐ取り戻せる」と前を見据えた。
井口監督は「台湾は強打者が多い」
投手では、中継ぎ陣が踏ん張り、3連投となった王鴻程が最速153キロと力ある直球、キレのあるスライダーで計2回2/3で3三振を奪った。また左腕の彭識穎は、シーズン終盤からの好調を維持。イニング跨ぎもこなし、ロングリリーフが可能であることを示した。
台湾メディアから、台湾代表へのアドバイスを問われた井口監督は、「台湾代表には強打者が多く、失投は危険だ。ただ、日本の投手は制球がいいので、台湾打線は対応が求められる」とコメント。また、「日本は大砲は少ないが、バッティングの技術が高く、足を使った攻撃ができる。台湾バッテリーはその点も注意しなければならない」と指摘した。
洪一中監督は、3人の先発投手がいずれも5回を投げきれなかったことは不安と振り返りつつ、できる限り調整を続けていくと強調。そして、「今回の結果(3連敗)をひきずらず、勇敢に立ち向かっていく。東京で結果を出すことが重要だ」と、決意を示した。
日本の縁とあるメンバー多数
第1回、第3回WBCで台湾代表入りするなど経験豊富なベテラン・陽岱鋼。オーバーエイジ枠として今大会にも選出され、キャプテンを任命されている 【写真は共同】
また、日本戦先発予定の林樺慶は、2015年のオフにロッテの秋季キャンプに参加。当時の落合英二コーチ、小林雅英コーチを介し、石川歩のシンカー、大嶺祐太のスプリットを学んだ。今年の台湾シリーズで、シリーズ記録となる1試合8打点をマークした内野手の林承飛(リン・チォンフェイ/Lamigo)も同年、ロッテの秋季キャンプに参加している。
このほか、クローザーの陳禹勲は、NPB・ロッテのほか、CPBL兄弟など6カ国でプレーした小林亮寛氏が経営する施設で、オフに自主トレを行っている。
今大会に向けて新ユニホームお披露目
CPBLではまた、今大会のために、ライブ配信アプリとコラボレーションし、オーディションで12人組のチアガール「棒球女孩(ベースボールガールズ)」を選抜した。東京ドームで行われる本大会には、この「棒球女孩」から4人、CPBL4チームから各1名、合計8名のチアガールが参加する予定だという。このほか、CPBLの各チームの応援団も参加予定となっており、東京ドームで台湾プロ野球の「応援文化」を楽しむこともできそうだ。台湾からの観戦ツアーも組まれており、台湾ファンの多くの来場も期待される。こうしたファンとの交流も国際大会の醍醐味といえるだろう。