宮原知子、復帰戦は「あっという間だった」 NHK杯出場の日本勢が一夜明け会見
今大会がケガからの復帰戦となった女子のエース宮原は「あっという間に終わった」と11カ月ぶりの試合を振り返り、氷上で受けた大歓声に「こういう舞台に自分は戻ってこないといけないなという思いと、また滑れてうれしいという気持ちが湧いてきた」と感謝した。
またGPデビュー戦を終えた白岩優奈(関西大KFSC)は、「(印象に残った選手はイタリアの)カロリーナ・コストナー選手。これがスケートなんだという滑りで、すごく衝撃的だった」とコメント。同じくGPデビューを果たした男子の友野一希(同志社大)は「先輩方がすごく日本男子を引っ張ってくれていたんだなと感じた」と、大舞台の重みを感じ取った様子だった。
以下、一夜明け会見での日本人選手コメント。
宮原「去年の自己ベストを超えられるように」
NHK杯のエキシビションで演技を披露する宮原 【写真:坂本清】
(ケガをしたことで成長した部分は)まだ1戦しか出ていないので何とも言えないんですけど、今回もっと緊張すると思ったので、気持ちの面では強くなれたのかなと思います。
(復帰してあらためて感じたフィギュアへの思いは)名前をコールされたときに、たくさんの声援をいただいて、やっぱりこういう舞台に自分は戻ってこないといけないなという思いと、また滑れてうれしいという気持ちがいっぱい湧いてきました。
(スケートアメリカに向けての具体的な目標は)今回はできることはできたと思うので、演技に満足はしていないですけど、仕方ないという気持ちもあります。これからスケートアメリカに向けては、元の状態、さらにはそれより上の状態に持っていく必要があるので、点数的にはショートは70点台、フリーは140点台が必要だと思っています。去年の自分のベストを超えられるように良い演技をすることが、最終的な目標だと思うんですけど、大会を重ねるごとに少しずつ上げていければいいと思います。
(卓球の石川佳純選手と食事をしたそうだが、どのように知り合い、どんな話をしたのか?)スポーツ賞の表彰とかでけっこうお会いすることが多くて、そのときに友達になって、JISS(国立スポーツ科学センター)でも何回か会ったりしました。そのときは少ししか話せないんですけど、「またご飯に行ってゆっくり話せたらいいね」という話をしていて、それをこの間実現できました。そのときは卓球の独特なルールとか、スケートの他のスポーツにはない独特な部分を話したり、「へえ」と思うような話をたくさんしました。
五輪の話もしました。リオデジャネイロ五輪がどんな感じだったのかということもたくさん聞きました。どの話もすごく興味深くて、あらためて五輪に行きたいなと思いました。(心構えでヒントになったことは)勝つことを狙い過ぎたら絶対にだめと石川選手はおっしゃっていたので、それはフィギュアにもつながるなと思いました。自分らしい演技をするのが一番良いというのをあらためて感じました。
本郷理華(邦和スポーツランド)「演技を楽しめるようになってきた」
本郷は順位、得点にこそつながらなかったが、演技自体には一定の満足感を得られたと振り返った 【写真:坂本清】
(次の大会に向けては)昨シーズン前半は不安があって、いっぱいいっぱいの演技でしたが、今は試合ごとに演技を楽しめるようになり、思い切り表現ができるようになりました。あとはジャンプと技術的な部分で、自分が一番良いと思えるものを1つのプログラムに詰め込めるように練習をしていくだけかなと思います。
(今大会における自信はどうだったのか?)スケートカナダが終わってからあまり日にちがなくて、カナダでの課題を全部直せたわけではなかったのですが、昨シーズンに連戦を経験して、それが今回すごく役に立ちました。あの経験がなかったら、カナダでの課題を克服できないままだったと思います。短い期間でも良い練習が積めたし、カナダ大会と比べても今回は思い切り演技ができました。
(五輪出場権争いに向けた手応えと、早急に克服したい課題は)2大会終えて、演技自体は満足できるものが多くなってきました。そこが一番良くなってきたと思います。ジャンプばかりにならず、1つのプログラムとして見てもらうという意識が強くなってきました。ただ、ジャンプの回転不足は早く直せるようにしたいと思っています。今回ショートは3回転+3回転をクリーンに跳べたので、それをフリーでもやりたかったですし、フリーでしっかりやらないと点数を取れない。あとはスピンやステップでも加点をもらえるように、バランスの取れた選手になりたいと思っています。
(自分の感覚と点数で違いがある点は)スケートカナダではショート、フリーともに大きなミスなく演技できたと思っているんですけど、試合のときは回転不足の細かいところは分からなくて、終わってから映像を見ると、回転不足と見られても仕方ないジャンプだったりするので、誰が見てもクリーンだと思えるようなジャンプを跳べるようにしないといけないと思っています。このNHK杯はそれを意識してやっていました。
白岩「五輪はあえて考えない」
白岩はプログラム後半の滑りを課題に挙げた 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】
ジュニアだったときのプログラムと違って、足元もすごく難しくなっているし、表現することも難しい曲なので、滑り込みがまだまだ足りないと思いました。振り付けが終わった5月から少しずつですけど、良くなってきているとは思います。
(NHK杯で印象に残っている選手は)カロリーナ・コストナー選手(イタリア)です。見ていてこれがスケートなんだなという滑りをしていたので、すごく衝撃的でした。
(シニアデビューするにあたり、シーズン前に立てたテーマは)順位や点数ではなくて、まずは去年よりも進化した姿を見せることがテーマでした。照準を合わせているのは最終的に全日本選手権で、五輪に出たいというのも目標ではあります。でもそれにとらわれると硬くなってしまうので、あえて考えないようにして、目の前の試合から1つ1つ課題をクリアしていきたいと思っています。
(今後どういう部分を磨きたい?)プログラムの後半になると動きが小さくなってしまったというのが今回の反省なので、プログラムの後半になっても、ちゃんと滑りこなせる体力と技術をもっと磨いていきたいと思います。(全日本選手権では)今磨いている表現とスケーティングスキルをさらに磨いて、少しでも上の点数を取って、100パーセントの演技をしたいと思います。
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