稲葉ジャパンが晴天の宮崎で始動 合宿初日のテーマは“慣れる”

中島大輔

稲葉監督は選手と積極的に対話

初日から選手と積極的にコミュニケーションをとった稲葉監督 【写真は共同】

 濃緑の木々に囲まれたSOKKENスタジアム(宮崎市清武総合運動公園野球場)で11月9日、新生・侍ジャパンの合宿がスタートした。

 気温21.8度と半袖でも十分なくらいの晴天に恵まれ、1500人のファンに見守られた中、ジャパンのユニホームに身を包んだ稲葉篤紀新監督は選手たちと積極的にコミュニケーションをとった。

「僕の性格を選手は知らないだろうし、選手がどういうことを考えながら練習しているのか、話を聞きました」

 2020年東京五輪での金メダル獲得を最大の目標とする稲葉ジャパンは、9日からの3日間の練習と北海道日本ハム、埼玉西武との練習試合を経て、16日から始まる「アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」に臨む。通常ならシーズンオフの調整期間にあたり、選手たちは個々のテーマに取り組む時期だが、同時に自国開催のオリンピックに向けてアピールしていくことが求められる。

先発候補の多和田がブルペン入り

 野手陣はシートノックや打撃、投手陣はサブグラウンドでの調整と全体的に軽めのメニューに終始した中、リリーフとして期待される近藤大亮(オリックス)、石崎剛(阪神)、又吉克樹(中日)らがブルペンに入った。その中で、稲葉監督が特に目を光らせていたのが多和田真三郎(西武)だ。

「見てるなあというのはありましたけど、そんなに意識することなく、いつも通りに投げられたと思います」

 今永昇太(横浜DeNA)、薮田和樹(広島)、田口麗斗(巨人)とともに指揮官が先発4本柱と考える多和田は、肩が軽いこともあって6割ほどの力でストレート、カットボール、スライダーをストライクゾーンに投げることを意識した。

「キャンプでやってきたことを出すのもあるんですけど、ここは練習という感じではなく、結果が求められると思います。自分のできることをして、チームの役に立てればいいと思います」

 3年後の東京五輪までに活動できる日数が限られる侍ジャパンにとって、合宿や試合を通じてチームの形をいかに作っていくかが重要だ。そうした意味で、今回のチームでは一つの軸が固定される。

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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