中日浮上の鍵を握る小笠原の飛躍 甲子園V投手から竜のエースへ

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甲子園でオコエ、平沢らとしのぎを削る

来季3年目となる小笠原はエース格としての働きが求められる 【写真は共同】

 小笠原慎之介を最初に見たのは東海大相模高の2年だった2014年夏の甲子園大会2回戦、盛岡大付高戦だ。先発の青島凌也(東海大)が5回まで被安打3、奪三振9、失点1という好投を続けていたが6回に突然乱れ、2対4となったところでマウンドに上がった。2死一、三塁の場面で四球を与えて満塁にするが9番打者をストレートで空振りの三振に取り、7回も内野安打1本に抑え、失点0で降板した。この試合で計測したストレートの最速は142キロ。結果は良かったがフォームは肘の下がったスリークォーターで、まだすごみはなかった。

 翌15年4月26日の春季神奈川大会準々決勝、慶応高戦を見て評価がガラッと変わった。前年夏より肘がよく立ち、肩にかかる負担が軽くなった分、腕の振りがスムーズになり、ストレートは翌日のスポーツ紙に最速145キロが計測されたと紹介されていた。変化球はカーブ、チェンジアップがあるが、正直ストレートに見惚れていて変化球に目をやる余裕がなかった。投球内容は8回1/3を投げて1安打無失点。ほぼストレートだけを投じ、11三振を奪った。強豪ぞろいの神奈川大会の準々決勝で、東海大相模高、横浜高とともに神奈川3強を形成する慶応高が相手だけにこの快投は価値があった。

 この夏は前年に続いて甲子園大会に出場。初戦(2回戦)の聖光学院高戦は6対1でリードした9回表、1死走者なしという場面で起用され、9球中6球がストレートというパワーピッチングで2人を打ち取った。最速は151キロを計測した。3回戦の遊学館高戦は先発して8回を2失点に抑える。ストレートの最速は149キロ。体に密着した腕の振りが相変わらず素晴らしく、110キロ台中盤のカーブで2回までに2三振を奪うなど緩急の意識づけにも成功している。

 準々決勝の花咲徳栄高戦は4回途中から投げて5回1/3を無失点。準決勝の関東一高戦は8回頭から投げて2失点。決勝の仙台育英高戦は先発完投して6失点と打たれているが、ストレートの威力、カーブのキレの良さ、さらにクイックモーションの速さ(1.1秒台)、バント処理のフィールディングの速さ、一塁走者を二塁で殺す判断力の良さなどディフェンス面も良く、気にならなかった。この夏の大会で東海大相模高は1970年以来、45年ぶりの夏の甲子園優勝を果たしている。

 後にプロ入りする7選手と対戦した結果も紹介しよう。(名前横の*印は当時1、2年生)

大滝愛斗(花咲徳栄高→15年西武4位):左飛、右前打
高橋昂也*(花咲徳栄高→16年広島2位):三振、投ゴロ
岡崎大輔*(花咲徳栄高→16年オリックス3位):三振、内野安打、遊ゴロ
オコエ瑠偉(関東一高→15年楽天1位):二ゴロ
平沢大河(仙台育英高→15年ロッテ1位):右前打、二塁打、三振、三飛
佐藤世那(仙台育英高→15年オリックス6位):遊ゴロ、中飛、三振
西巻賢二*(仙台育英高→17年楽天6位):左前打、二ゴロ

 対戦成績は17打数5安打、打率2割9分4厘となる。オコエ、平沢、大滝(武田愛斗、登録名:愛斗)、岡崎は既に1軍デビューを飾っているので、甲子園以来の対決が来季は見られるかもしれない。

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