「暴れてこい!」と背中を押す――稲葉ジャパンの船出と新たな指針
7月に監督に就任した侍ジャパン・稲葉監督。2020年東京五輪での金メダルへ向けて、11月の「アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」が初陣となる 【花田裕次郎/ベースボールタイムズ】
「活気のあるチームにしたい」
「何よりもまず、勝ちたいという思いがある。そのためのメンバーを選んだ。最初に候補選手を多く挙げて、そこから打順、ポジションを考えながら選んでいった。他にも候補者が多くいて、うれしい悩みでした。とにかく活気のあるチームにしたい」
今大会の出場資格は24歳以下(1993年1月1日以降生まれ)、または入団3年目以内で、オーバーエイジ枠は3人まで。故にトップチームの代表歴を持つ選手は少ないが、就任会見で「最後まで諦めずに全力でプレーするメンバー。そういう熱い選手たちを集めて、熱い戦いをしていきたい」と語った稲葉監督が求めるものは変わらない。今回のメンバーにも「“野球界の鑑”であれ、というものは改めて伝えていきたい」と自覚を促し、侍ジャパンの誇りを伝えていく。
前チームから継承する「結束力」
第2回WBCでは4番を務めるなど勝負強いバッティングで世界一に貢献した稲葉監督 【写真:アフロスポーツ】
同時に、小久保前監督が3年半をかけてつくり上げたチームも「メチャクチャいいチームだった。監督、コーチ、選手、みんなが一つになっていたし、本当に一体感があった」と振り返る。「大事なのはチームの輪、そして結束力」。舵取り役が代わっても目指す方角は変わらない。いい部分は残し、次へとつなげる。まずは“継承する”ことから始めるつもりだ。
「小久保監督は非常にいいものを残してくれました。その土台がある。稲葉ジャパンだからと言って、イチからつくるのではなく、これまで培ってきたものを継承していきたい。人選や試合中の采配には僕の色が出ると思いますが、侍ジャパンに対しての考え方など、小久保監督がつくり上げてきたものはしっかりと継承していきたい」