柳田の初回、初球スチールの意義 岩村明憲氏の日本シリーズ解説

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初回、先頭打者の柳田はヒットで出塁すると、次打者の初球にスチール。内川の先制タイムリーにつなげた 【写真は共同】

 プロ野球の頂上決戦「日本シリーズ」第3戦が31日に横浜スタジアムで行われ、福岡ソフトバンクが横浜DeNAを3対2で下し3連勝。2年ぶりの日本一に王手をかけた。

 ソフトバンクは初回、4番・内川聖一のタイムリー二塁打で先制。4回には高谷裕亮の2点タイムリーが飛び出し、試合の主導権を握った。先発・武田翔太は5回途中1失点でマウンドを降りるも、その後は6人の継投でリードを守りきった。

 スポーツナビでは、東京ヤクルトやMLB・レイズなどで活躍し、短期決戦の経験が豊富な岩村明憲氏による日本シリーズのポイント解説をお届けする。

石井琢朗さんの盗塁を思い出した

「初回の柳田(悠岐)選手の盗塁が大きかったと思います。何よりも初球で走ったことが大きい。早いカウントで盗塁をしてあげるとバッターの負担も減るし、攻撃のリズムを生みやすくします。現に2番の今宮(健太)選手が送って、内川選手のタイムリーで先制しているわけです。柳田選手は3試合とも初回先頭打者でヒットを打って、先制のホームを踏んでいます。『短期決戦は先制点が大事』ということをシリーズを通して体現していますね。

 また、相手のホームアドバンテージが生かされる前に先制パンチを見舞ったことも大きかったですね。球場が横浜スタジアムということで、1998年に(前身の)横浜が日本一になったときを思い出しました。第1戦で先頭の石井琢朗さん(今季まで広島コーチ)がセーフティーバントで出塁して、次打者の初球に走って先制点につなげた。柳田選手の初球スチールはそのお株を奪うような形でしたね」

高谷の盗塁刺はヒット2、3本の価値

初回に高谷が桑原、梶谷の盗塁を刺して、DeNAに主導権を渡さなかった 【写真は共同】

「一方で、今日は俗に言う“脇役”と呼ばれる選手がヒーローになりました。捕手の高谷選手は初回に2度の盗塁刺と貴重な2点タイムリーを放ちました。試合のMVPを選ぶとするなら彼で間違いないですね。特に盗塁刺はヒット2本、3本分の価値がありますよ。

 投手陣では7回に投げたモイネロ投手が非常にいいピッチングを見せました。あそこでピシャッといけたことで、8回と9回もすんなり抑えられたと思います。岩嵜(翔)投手、サファテ投手と後ろが盤石なだけに、先制点を守り抜く上で大事な働きでした。

 3連敗になったDeNAは悲観的になったらダメです。不振のロペスに一発が出たし、柴田(竜拓)君や倉本(寿彦)君が6回に見せた粘りがチームに与える影響は大きいと思います。8回に先発要員の井納(翔一)投手を投入したことだってそうです。これらは何かしらのメッセージとなって周囲に伝わるもの。明日はどんなことを使ってでも『勝つ』という姿勢で向かっていってほしいですね」
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