チームにとって核となるアロンソの存在 今宮純のF1ザ・ショウダウン
ルーキーイヤーに匹敵するワーストシーズン
メキシコGPでテンガロンハットをかぶるアロンソ 【XPB Images】
現在のF1ドライバーズランキングは16位、ストフェル・バンドーン(15位)より下、ルノーから離脱したジョリオン・パーマーの一つ上でしかない。ミナルディからデビューした2001年がランク23位で16年ぶりのワーストシーズンなのだ。
ここ3年は表彰台どころか、入賞圏に割り込むことさえぎりぎりの戦いが続いた。あらためて計算すると、15年からマクラーレン・ホンダのグリッドダウン・ペナルティ累計は今季のメキシコGP時点で“825”に達しているのだ。
我慢強さには定評のあるアロンソ
アロンソの我慢強い性格については、こんなエピソードがある。
鈴鹿サーキットホテル内のレストランは日本GPの週末、関係者で大混雑。アロンソと仲間たちは注文した前菜カラマリ・フリット(イカのフライ)を待っていた。30分経ってもなにも出てこない。席を立つとアロンソは厨房まで行き、自分でオーダーを確認。さらに時間が過ぎてから、フロアマネージャーが彼らに持ってきたのは“コカ・コーラ”だった。
「カラマリ・フリット」と言っているのに、なぜ「コカ・コーラ?」が出てくるの。アロンソは自分の発音が悪いのかと、怒らずに大笑いして受けとったという。偉ぶらないアロンソ、辛抱強いアロンソ、待ち続けるアロンソ。しかしこの3シーズンはあまりに長かった。