- F1速報
- 2017年10月31日(火) 10:00
ルーキーイヤーに匹敵するワーストシーズン

フェルナンド・アロンソが今年チェッカーを受けられたレースは、メキシコGPまでわずか6戦しかない。リタイア以外にも“DNF(フィニッシュできず)の完走扱い”や、“DNS(スタートできず)”が続いた。モナコGPを休んで参戦したインディ500でもチェッカーはかなわなかった。
現在のF1ドライバーズランキングは16位、ストフェル・バンドーン(15位)より下、ルノーから離脱したジョリオン・パーマーの一つ上でしかない。ミナルディからデビューした2001年がランク23位で16年ぶりのワーストシーズンなのだ。
ここ3年は表彰台どころか、入賞圏に割り込むことさえぎりぎりの戦いが続いた。あらためて計算すると、15年からマクラーレン・ホンダのグリッドダウン・ペナルティ累計は今季のメキシコGP時点で“825”に達しているのだ。
我慢強さには定評のあるアロンソ
それでも2度の年間王者は10月19日にマクラーレンとの契約更新を発表。ホンダからルノーPUに変わり、すべてがリセットされる新プロジェクトを我慢強く待つことにした。
アロンソの我慢強い性格については、こんなエピソードがある。
鈴鹿サーキットホテル内のレストランは日本GPの週末、関係者で大混雑。アロンソと仲間たちは注文した前菜カラマリ・フリット(イカのフライ)を待っていた。30分経ってもなにも出てこない。席を立つとアロンソは厨房まで行き、自分でオーダーを確認。さらに時間が過ぎてから、フロアマネージャーが彼らに持ってきたのは“コカ・コーラ”だった。
「カラマリ・フリット」と言っているのに、なぜ「コカ・コーラ?」が出てくるの。アロンソは自分の発音が悪いのかと、怒らずに大笑いして受けとったという。偉ぶらないアロンソ、辛抱強いアロンソ、待ち続けるアロンソ。しかしこの3シーズンはあまりに長かった。