焦りが失策呼び、流れ引き渡したDeNA 岩村明憲氏の日本シリーズ解説

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ソフトバンクは相手エラーからチャンスをつくると、中村晃のライト前ヒットで今宮(写真中央)が決勝のホームにタッチした 【写真は共同】

 プロ野球の頂上決戦「日本シリーズ」第2戦が29日にヤフオクドームで行われ、福岡ソフトバンクが横浜DeNAを4対3で下し、対戦成績を2勝0敗とした。

 ソフトバンクは初回、デスパイネの連夜のタイムリーで先制。先発の東浜巨は5回までDeNA打線を封じたが6回に梶谷隆幸に同点ソロを浴びると、3番手・森唯斗が宮崎敏郎に勝ち越し2ランを献上する苦しい展開に。しかし7回、柳田悠岐のタイムリーと中村晃の2点タイムリーで再逆転に成功。今宮健太による勝ち越しの生還は、一度は「アウト」の判定が下るものの、リプレー検証の末「セーフ」に覆り、これが決勝点となった。

 スポーツナビでは、東京ヤクルトやMLB・レイズなどで活躍し、短期決戦の経験が豊富な岩村明憲氏による日本シリーズのポイント解説をお届けする。

エラーと四球で満塁、逆転ムードへ

 以下は岩村氏の解説。

「勝敗を分けたのは7回のソフトバンクの逆転の場面ですね。DeNAサイドから見ると、1点差に詰め寄られた後の倉本(寿彦)選手のエラー。これで相手に流れを引き渡しましたね。

 1死一塁で、今宮選手の打球はセカンド横へ。これをさばいた柴田(竜拓)選手の二塁転送をショートの倉本(寿彦)選手がこぼして、ランナーを生かしてしまいました。守備力の高い二遊間なので、ゲッツーを取ることは決して難しくはないと思いますが、ちょっとプレーを急いだのかなと。

 エラーの後は内川(聖一)選手にフォアボール。そして満塁になって、中村選手のタイムリーでソフトバンクが逆転。満塁になったのが上述のとおりエラーとフォアボールなだけに、そういうムードになりやすいですよね。

 打った中村選手は1ボール1ストライクからライト前へ運びました。次の球がボールになって2ボール1ストライクになると、バッテリーには厳しくなる。満塁でバッテリーが避けなきゃいけないことを考え、そこを狙い撃ちした結果ですね」

宮崎に一本出たのは今後に向け好材料

日本シリーズ第1戦では快音が聞かれなかった宮崎だが、第2戦では一時勝ち越しとなる2ランを放った 【写真は共同】

「ただ、DeNAも敗れはしましたが、梶谷選手と宮崎選手の本塁打は良かったと思います。2人ともきわどいボールを打ってましたしね。桑原(将志)君とロペスに結果が出ていないのは不安になりますけど、1戦目で当たりが出なかった宮崎選手に一本出たのは良かったのではないでしょうか。

 第3戦は横浜スタジアムに移りますが、変わってくることはありますよ。どちらのチームにとっても、いいことも悪いことも。今度はDeNAのホームアドバンテージを生かせるところなので。ここまではソフトバンクの本拠地で、相手ファンの声援もあっただろうし、駆けつけたファンの方たちもいたんだろうけど、数では勝てないですから。そういう意味では、横浜に移してお客さんが雰囲気をつくってくれると思います」
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