【UFC】リョート・マチダが2年4カ月ぶり復帰 リアル“ベストキッド”の本領発揮なるか
柔術マスター、マイアのこれまでとこれから
セミファイナルではデミアン・マイア(写真)がコルビー・コビントンと激突する 【Zuffa LLC】
柔術マスターにして、玄人好みのファイターズファイターであるマイア。複数の日本人UFCファイターからも、フェイバリットファイターとして名前が挙がるマイアであるが、格闘技を始めたきっかけは意外にも柔術ではなかったのだという。
「若い頃から格闘技が好きでね。最初はカンフー、次に柔道を習った。でもやっぱり一番好きだったのはバーリ・トゥード(ポルトガル語で“何でもあり”の意味、創世記のMMAの呼称)で、第1回のUFCを見てホイス・グレイシー(ブラジル)に憧れるようになった。そこから柔術に入門するんだけど、目的はあくまでバーリ・トゥードで一番になることだったんだ。そのためにはホイスのように柔術で強くなければいけない、と思った。ただ、入門してからは、いろいろな技術があって、頭も使う柔術にすっかり夢中になってしまったんだけれどね」
2010年にアンデウソン・シウバ(ブラジル)の持つミドル級タイトルに挑戦するも判定負け、その後ウェルター級に転向し、「UFC 214」(2017年7月)に王者タイロン・ウッドリー(米国)に挑戦するも判定負けと、タイトル挑戦にまではたどり着くマイアではあるが、2度にわたって戴冠のチャンスを逸している。11月に40歳になるが、これからの戦いについて、次のように心境を明かしている。
「幸せというものは、日常生活にあるごくシンプルで小さな事柄の中にあるんだ。人生とは、家族のため、生徒のため、友だちのため、そして世の中のために少しでも役に立つ人間になろうと進化していく旅路だと思っている。チャンピオンになったからといって、良い人間になるわけではない。むしろチャンピオンになろうとする経験と旅路にこそ意味があるんだ」
そんなマイアのグラップリングを「本当にワンパターン。老犬に新しい芸を仕込むのはもう無理」と切って捨てる対戦相手コビントンの挑発を尻目に、地元観客の前でマイアの名人芸がさく裂するのか。ブラジルのファンならずとも目が離せない。
(文:高橋テツヤ)