月バレ担当記者が語るVリーグの見どころ 混戦模様の男子、女子は若手の台頭に期待

月刊バレーボール

女子の優勝候補は三者三様

昨シーズンはNECと久光製薬がファイナルで激闘を繰り広げた(写真奥は古賀) 【月刊バレーボール】

 男子に続いて、女子チームを主に取材してきた担当記者3名が登場。

記者D……カテゴリーを問わず幅広く取材
記者E……コアな情報を集めるのが得意
記者F……世界のバレーボール事情に精通

記者E 日本のバレーボール界を彩ってきたヒロイン、木村沙織さんが昨シーズンで引退を発表しました。そこからの17−18シーズンです。
記者F 新しい“顔”となる存在に注目だよね。
記者D まず若手選手の筆頭はNECレッドロケッツの古賀紗理那でしょう。昨シーズンのファイナルではチームを優勝に導くパフォーマンスが素晴らしかった。
記者E けがの不安もありましたが、開幕戦には間に合うと聞いています。

記者D NECは主力選手がごっそりと引退しました。鍵となるのは?
記者E 島村春世は全日本にも選ばれて「そこでの経験を生かすのが私の仕事」と考えながら取り組んでいるみたいです。調子も良いそうです!
記者F 他にも注目の若手選手といえば、山内美咲、小島満菜美、荒谷栞……。全日本のアンダーカテゴリーに選ばれている面々にも期待したいね。。
記者E 今シーズンからキャプテンになった柳田光綺も楽しみ。サイズも関係なしに活躍する姿を見るに、彼女は夢を与える存在ですから。

記者F そんなNECは外国人選手を要しない、いわゆる「純国産」で戦うわけだけど……。今シーズンのVリーグ、久光製薬スプリングスに加入した米国代表のフォルケ・アキンラデウォをはじめ、顔ぶれがすごいんです。
記者D 最高到達点331センチのミドルブロッカー(MB)でしょ!? 岩坂名奈、新鍋理沙、野本梨佳、長岡望悠ら全日本メンバーに加えて、座安琴希もフランスから帰ってきたし、私は優勝候補に一票!

記者E (久光製薬は)強い、それに尽きる。でも、私はJTマーヴェラスがおもしろいと思うんだ。全日本のリベロが2人。小幡真子はアジア選手権でリベロ賞を獲ったし、井上琴絵はグラチャンでベストリベロ賞に選ばれた。その一方で、MBの奥村麻依を絡ませた攻撃も魅力。昨シーズンのV・プレミアリーグ復帰初年度4位は、躍進といえる結果だった。
記者F 新加入のブランキツァ・ミハイロビッチはセルビア代表で、リオデジャネイロ五輪の銀メダリストだしね!

記者F 私は優勝候補にはデンソーエアリービーズを推そうかな。昨シーズンはV・チャレンジリーグで戦ったけれど、そこでメンバーを固定せずに戦っていた。シーズンを通してチームの底上げが図れた印象だし、その結果が黒鷲旗の優勝につながったと思う。勝負できるんじゃないかな。

漂うニュースター誕生の予感!

東レの黒後(20番)は高校時代に3つのタイトルを獲得。全日本にも登録され、将来が有望視される 【月刊バレーボール】

記者D 全日本でいえばグラチャンでも活躍した内瀬戸真実が抜けた日立リヴァーレは、その穴をどう埋めるかが課題だね。
記者E 佐藤美弥とジャクソン・カースティのコンビはすごいよ。それに佐藤は“プリンセス”栗原恵へも絶大な信頼を寄せています。スパイクの打点も高いし、ブロックでもピシャリと止められる。
記者F 個人的には若手選手の長内美和子にも注目しています。彼女のボールをたたく音は、ぜひとも生で聞いてほしい!

記者D 若手選手の台頭はどのチームでもトピックスの1つになるかもね。東レアローズはなんと平均年齢22.6歳! その中でも、やはりこの人でしょう、そう……。
3人 黒後愛!
記者E 高校バレー界を代表するヒロインがVリーグのステージに立ちます。強烈なスパイクが見ものですね。
記者F 彼女は何といっても笑顔がステキ。スター性があるよね。全日本でプレーした堀川真理とのパワフルスパイカーの共演が楽しみです。新加入のロルフゼン・ケイディ・リンも23歳で米国代表の経歴もあるし未知数。どんなプレーを見せてくれるのか楽しみ。

記者D 若手、若手と言っておりますが……。トヨタ車体クインシーズの荒木絵里香を忘れちゃダメだよ!
記者E 「絵里香さん(荒木)がコートに立つと空気が違う」とは、全日本でもトヨタでもチームメートたちから聞かれた言葉。執念のブロック執念に声出し、抜群の存在感があります!
記者F 出産後に復帰されて、今は第一線でプレーしている。女性として憧れます。
記者D 全日本でトスをあげていた冨永こよみも上尾メディックスの“頼れる姉後肌”
記者E いくらかは速さを追求するとは耳にしたけれど、自分のチームでどのようなトスワークを展開するのかが気になるね。
記者F それに上尾は、元キューバ代表のケニア・カルカセスが加入しました。迫力はもちろんだけれど、31歳という年齢もあるのか、落ち着きもある。5月の世界クラブ選手権で見せたジャンプサーブ! あの打球のスピードで、サイドラインぎりぎりに落とすの!? と驚かされました。

記者D Vリーグを彩る外国人選手か……。そういえば、来年は世界選手権の女子大会が日本で開催されるからね。
記者F 今シーズン、Vリーグに参戦する選手も出場するかも。アキンラデウォなんて、ほんとうにステキな人柄! ファンが増えてほしいし、そこから米国代表を知ってもらえたら、世界選手権もいっそう楽しめるかも。

記者E われらが全日本にとっても、来年に向けては大事なリーグになるでしょう。Vリーグから全日本へ――というニューフェイスが出てくるかもしれません。
記者D 誰が出てくるかな!? それに今年の全日本で活躍した選手が見られるのがVリーグの魅力ですから。

記者E 日立の佐藤もスマイルが光りますし、気合いを前面に出すところがいいよね。
記者F デンソーの鍋谷友理枝も、闘志むき出し! ふだんは“ザ・女の子”という感じなのに、コートでは人が変わっちゃう。
記者E 本人は試合になると、無意識でスイッチが入るみたい……。
記者D 久光製薬も新鍋のオールラウンダーぶりに憧れる中高生はたくさんいるし、野本も全日本でのプレーを見てファンになった人も多いんじゃないかな。
記者F 世界選手権につながるような、彼女たちの活躍も見逃せませんね!

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著者プロフィール

1947年創刊。バレーボールの専門誌として、その黎明期から今日まで、日本のバレーボールを取り上げ、その報道内容は、全日本、Vリーグはもちろん、小・中・高・大学生、ママさんまで、多岐に渡る。

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