連覇の広島か、勢いのDeNAか セCSファイナルステージ見どころ

ベースボール・タイムズ

CSファーストステージで阪神を破り、筒香(背番号25)とロペス(同2)を迎えるラミレス監督 【写真は共同】

 泥まみれとなった甲子園での激戦を経て、横浜DeNAが2年連続のクライマックスシリーズ(以下CS)ファイナルステージに駒を進めた。待ち受けるのは、37年ぶりのセ・リーグ連覇を果たした広島。下克上か、黄金期の証明か。鍵となるポイントを挙げながら、勝負の行方を占いたい。

ポストシーズンでも乱打戦!?

 1位・広島と3位・DeNA。レギュラーシーズンでは14.5ゲームの差が付いたが、直接対決ではDeNAが13勝12敗と勝ち越した。計37個の貯金を作った今季の緒方カープが、同リーグ内で唯一貯金を作れなかった相手が、CSファイナルで対峙することになったラミレス監督率いるDeNAなのだ。

 両チームの対戦成績を詳しく見ると、今季の25試合で広島が対戦打率2割8分3厘で計136得点(1試合平均5.44得点)、DeNAも同2割6分6厘で計125得点(1試合平均5得点)と打線が活発。本塁打も両チームともに28本ずつ放っており、完封試合は4月19日の1試合(4対0でDeNAが勝利)のみ。直近の10月1日の対戦でも両チーム20得点(13対7でDeNAが勝利)の乱打戦になるなど、今カードは点の取り合いとなる傾向にある。

 投手陣から見ても、広島の対DeNA戦の防御率4.51、DeNAの対広島戦の防御率5.26は、お互いに最も相性の悪かった相手ということになる。指揮官としては、継投策を含めた総力戦を想定しておいた方がいいだろう。そして交代のタイミングも非常に大きなポイントになるだろう。

ウィーランドは広島戦負けなしだが…

 継投の準備をするにしても、先発投手にかかる期待と比重が大きいことに変わりはない。

 迎え撃つ広島は、第1戦に最高勝率のタイトルを獲得した薮田和樹(15勝3敗、防御率2.58)を立て、第2戦は昨季2冠を獲得した野村祐輔(9勝5敗、防御率2.78)、そして第3戦は昨季の沢村賞投手・ジョンソン(6勝3敗、防御率4.01)の先発が濃厚。4戦目以降は、復活を遂げた大瀬良大地(10勝2敗、防御率3.65)と、今季マツダで5勝1敗だった中村祐太(5勝4敗、防御率3.74)に託し、今季最終戦だった10月1日のDeNA戦で3回7失点と炎上した岡田明丈(12勝5敗、防御率4.00)は、中継ぎに回る見込みだ。チームの対戦防御率4.51が物語るように、先発陣の中でDeNA打線を抑え込んだ投手はいないが、特に個人の成績的には不満の残った野村、ジョンソンに2人がポストシーズンで意地を見せられるかに注目だ。

 対するDeNAは、阪神とのCSファーストステージで、初戦に井納翔一(6勝10敗、防御率3.84)を持って行き、第2戦は今永昇太(11勝7敗、防御率2.98)、そして第3戦はウィーランド(10勝2敗、防御率2.98)が先発した。広島とのファイナルステージでは、今季対戦で2戦2勝、防御率3.46だった石田健大(6勝6敗、防御率3.40)とドラフト1位ルーキーで2ケタ勝利を挙げた浜口遥大(10勝6敗、防御率3.57)に第1戦、第2戦の先発マウンドを任せるはず。その後の第3戦は井納、第4戦は今永とともに中5日で送り出せるが、誤算は雨で試合が1日ずれたことで、阪神との第3戦に先発したウィーランドが中5日を開けると最後の第6戦になるということ。来日1年目のウィーランドは今季の広島戦5試合に先発して防御率5.33ながら3勝0敗と負けなしで、同時に打者として広島戦の打率5割3分8厘(13打数7安打)、3本塁打、9打点と“神っていた”だけに、ラミレス監督としては仮に王手をかけられたとしても何としても最終戦までもつれ込ませたいところだろう。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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