【新日本プロレス】棚橋がIC王座V2 飯伏を逆指名 オカダはEVILにKOされ王座戦に暗雲
ザックの挑戦を退けた棚橋(右)は次期挑戦者に飯伏(左)を逆指名 【写真:SHUHEI YOKOTA】
メインイベントのIWGPインターコンチネンタル選手権試合では、王者・棚橋弘至が、30分を超える戦いの末に鈴木軍のザック・セイバーJr.を退け2度目の防衛に成功。試合後、自ら次の挑戦者に飯伏幸太を指名し、リング上でにらみ合った。
みのるの介入にも耐え得意技の連発で勝利
みのるの介入などもあったが、最後はハイフライフローでザックを一蹴した 【写真:SHUHEI YOKOTA】
来年公開の主演映画「パパはわるものチャンピオン」撮影のため、トレードマークの長髪をバッサリと切った棚橋は、5月に右上腕二頭筋腱遠位断裂の重傷を負った右腕をテーピングでガッチリと固めて登場。ザックはこの日も得意のグラウンドで攻め立て、場外でもワキ固めを仕掛けると、20分過ぎには、両国でギブアップを奪った変形卍固め。棚橋も場外、リング上でハイフライアタック2連発を繰り出すが、ここで鈴木軍大将の鈴木みのるが乱入。レフェリーの死角を突いて棚橋にエルボー、スリーパーを繰り出すと、さらにイスを手にするが、マイケル・エルガンが力づくで追い出し、棚橋を救出。棚橋はハイフライフローをヒザ剣山でブロックされながらも、ツイストアンドシャウト3連発からスリングブレイド、ハイフライフローと一気にたたみかけて3カウントを奪い取った。
棚橋にとって同所は13年2月にカール・アンダーソンとIWGP戦、翌年2月にも中邑真輔とIC戦を争った思い出の地。それだけに試合後、「新日本プロレスが広島に帰ってきたぞ!」と絶叫した棚橋は、「次の挑戦者、決めてある。これがインターコンチの特権だからな」とニヤリと笑うと、「飯伏!」と意中の相手を明かした。飯伏とは今年のG1公式戦8.1鹿児島で対戦。飯伏が新技カミゴェを初公開し、地元で神と崇める棚橋から初勝利を上げている。リング上で飯伏と向かい合った棚橋は「オレのインターコンチ、面白いと思ったヤツはすぐにやるんだ。次はおまえだ。挑戦を受けてくれ」と改めて逆指名すると、飯伏も大きくうなずいて退場した。
なおも棚橋は観客の声援に応え、エアギターのアンコール、さらには「広島の皆さん、愛してまーす!」の絶叫から、かつては恒例であったファンサービスまでたっぷり行い、「メインイベンター」としての責任と存在感を示した。
棚橋と飯伏の過去の対戦成績は1勝1敗で、いずれもG1公式戦。新日本のエースとして屋台骨を支え続けてきた男と、国内外の様々なプロレスを経験し、見る者の予想のナナメ上を行く男のベルトを賭けた戦いは、刺激的になること確実。また、飯伏が新日本のタイトル戦線に絡んできたことで、新日本マットにも新たなうねりが起きることになりそうだ。
KUSHIDAはデスペラード一蹴 オスプレイ戦が濃厚に
王者KUSHIDAにオスプレイとヒロムが挑戦を申し込むが、ヒロムは無残にもナックル一発でKOされる 【写真:SHUHEI YOKOTA】
両者は今年の「BEST OF THE SUPER Jr.」開幕戦となる5.17後楽園で激突し、デスペラードがギターラ・デ・アンヘルで勝利。その後、6.27後楽園でBUSHIとのタイトル戦を制したKUSHIDAに対し、直後にデスペラードが豪快なギタークラッシュを炸裂させ、王座挑戦を訴えた。
KUSHIDAは今年の「BEST OF THE SUPER Jr.」で優勝を果たし、イギリス遠征ではROH世界TV王座も防衛するなど、王者として絶好調ぶりをキープしている。
一方、正体不明のマスクマンであるデスペラードは、14年1.4東京ドームで初登場して以来、最初こそ強烈なインパクトを残したが、鈴木軍ではベテラン3人に次ぐ「4番手」的なポジションは否めず。今回が14年10月以来3年ぶり、新日本マット復帰後初の王座挑戦となる。
デスペラードは5分過ぎ、持参したケースからギターを取り出し、KUSHIDAめがけて振りかぶろうとするも、レフェリーが阻止。ならばと今度はムチを取り出して殴りかかる。さらにマフラーホールドから両腕をロックしてヌメロ・ドスに移行すると、今度は自らマスクを脱いで投げ捨て、見ていなかったレフェリーに、KUSHIDAによる反則をアピール。KUSHIDAが必死に否定すると、そのスキに急所蹴りから丸め込み、ギターラ・デ・ムエルタを発射する。だが、KUSHIDAもマサヒロタナカはブロックされたものの、雪崩式のチキンウィングアームロックで締め上げると、バックトゥザフューチャーで勝負を決めた。
試合後、今年の「BEST OF THE SUPER Jr.」決勝戦でKUSHIDAに敗れ準優勝に甘んじたオスプレイが現れ、リング上で挑戦表明。そこに前王者であり、オスプレイとも抗争中のヒロムも飛び込むが、ヒロムがマイクを握ろうとしたところを、オスプレイがパンチ1発で倒し、あわれヒロムはダウン。その間に、2人が視線をかわし、退場してしまうと、意識を取り戻したヒロムは、誰もいなくなったリング上でジタバタ暴れて大いに悔しがった。