サファテはソフトバンクの強さの象徴 鷹詞2017〜たかことば〜

田尻耕太郎

体脂肪率4%台と徹底的な自己管理

36歳にして150キロ台の剛球を投げ込むなど徹底的な自己管理で年々成績を向上させているサファテ 【写真は共同】

 加齢に歯向かって、なお向上し続けるワケとは? それはサファテの驚くべき体躯を知れば、明らかになる。

「体脂肪率は4%台。シーズン中はもちろん、オフもこの数字はキープしているよ」

 徹底した自己管理。「ファストフードやクッキーは大好きさ。でも、我慢も必要」。その意識が高まったのは来日してからだという。

「アメリカでやっていた頃は正直、太り気味だった。ただ速い球を投げられればいいと考えていた。日本食はとてもヘルシーだし、日本の野球は練習量が多い。練習のための時間がしっかり決められている。ランニングやウエイトトレーニングの量も増えた。みるみる体重が落ちて、体つきも変わってうれしかった。それでしっかりと自己管理をするようになったんだ」

 シーズン中の遠征先では、大の仲良しを誘ってジム通いをすることも多い。森唯斗が入団以来4年間も50試合以上登板を続けられているのは、サファテの存在が実に大きい。

サファテにとって今年は一生の宝物

 チームの誰からも信頼され、尊敬もされ、そしてムードメーカーでもある。

 8月1日の試合後、サファテが先発陣に喝を入れる趣旨の発言をして、メディアで大きく取り扱われたことがあった。チームが空中分解しかねないのではと話題になったが、実際はそんな気配はまるでなかった。「あのサファテが言うのだから…」と誰もが納得。この翌日にバンデンハークが8回13奪三振1失点の力投で、そのゲキに応えてみせた。この試合が、ソフトバンクV奪回の大きなターニングポイントになった。

 今季(※)は先制試合で71勝8敗という驚異的な勝率をマーク。さらに1点差勝利は25試合を数えた。サファテのセーブ数が伸びたのも納得で、「ホークスという強いチームでプレーしているから僕の数字がついてくる」と語るが、サファテという絶対的守護神がいるからソフトバンクは強いのだ。

 今季レギュラーシーズンの残り試合はまだ13試合ある。セーブ記録は果たしてどこまで更新されるのか。そして、あと2度胴上げ投手となるという大目標がある。一生の宝物になる17年はまだまだ終わらない。

※今シーズン記録はリーグ優勝決定日現在

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著者プロフィール

 1978年8月18日生まれ。熊本県出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。2002年卒業と同時に、オフィシャル球団誌『月刊ホークス』の編集記者に。2004年8月独立。その後もホークスを中心に九州・福岡を拠点に活動し、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)『週刊現代』(講談社)『スポルティーバ』(集英社)などのメディア媒体に寄稿するほか、福岡ソフトバンクホークス・オフィシャルメディアともライター契約している。2011年に川崎宗則選手のホークス時代の軌跡をつづった『チェ スト〜Kawasaki Style Best』を出版。また、毎年1月には多くのプロ野球選手、ソフトボールの上野由岐子投手、格闘家、ゴルファーらが参加する自主トレのサポートをライフワークで行っている。

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