ソフトB・工藤監督、柳田らが優勝会見 「昨年の悔しさが今日につながった」

ベースボール・タイムズ

優勝会見で笑みを浮かべるソフトバンク・柳田、工藤監督、東浜(写真左から) 【写真は共同】

 福岡ソフトバンクは16日、敵地・西武プリンスドームでの埼玉西武戦で7対3と勝利し、2年ぶりのリーグ制覇を果たした。試合後の優勝会見には工藤公康監督をはじめ、投打の柱である柳田悠岐、東浜巨が出席。それぞれ喜びの心境を語った。

工藤監督「負けたくない気持ち強かった」

――優勝を決めた今の気持ちは?

 今は、ホッとしています。

――勝利が決まった瞬間の感情は?
 
 まず一つ夢が叶ったと思いましたし、2アウト取って最後のバッターというところで、選手たちが全員ベンチに集まって笑っている姿を見て、良かったな、と。この時を迎えられて、本当に1年間頑張ってきて良かったなと思いました。

――7回宙を舞った胴上げの味は?

 みんなのあったかい手がすごく背中に感じられて、今まで支えてくれたんだなという思いが非常に込み上げてきましたし、選手に対しての感謝の気持ちというのが非常に沸いてきた。苦しいことも辛いことも、宙を舞っている時が……みんなに幸せをもらいましたし、みんな辛い中、ここまでよく頑張ってくれたなという風に思いました。

――選手時代に数多くの優勝を経験して監督としては2度目となった今回の優勝の意味は?

 1年目はみんなに優勝させてもらって、2年目はみんなを優勝させることができなくて、非常に悔しい思いをしました。その悔しさを糧に自分のできることをやってきたつもりですけど、実際に野球をするのは選手たちですし、グラウンドで頑張ってくれないと勝てませんし、常に応援する気持ちと、1人でも1イニングでも1打席でも大事に戦って欲しいという気持ちと……。すごく今年の方が、1試合1試合、勝っていく度にすごく充実した日々を送らせてもらいました。3年目になりますけど、一番長く感じられたシーズンでもありました。

――今日の試合の前に選手たちにかけた言葉は?

 ホテルを出る前には何もしていません。自分の中で普段通りという思いがありましたし、選手たちにも普段通りにやって欲しかった。(マジック)1になればなかなか(普段通りに)できないということもあるんでしょうけど、自分自身がブレないことが非常に大事だと思っていたので、わざわざ選手を集めて何か一言言うことよりも、ここまで来たらみんなの力を信じて選手に任せた方が良いと思いました。

2年ぶりのリーグ優勝を決め、胴上げで宙を舞う工藤監督 【写真は共同】

――強いと言われた中で非常に厳しい試合を勝ち抜いてきた印象だが?

 確かに8月に厳しい試合が続いたりもしましたけど、やっぱり8月だけではなくて、4月から、もっと言えば昨年の負けたときから、本当に選手たちが「もうこういう悔しい思いをしたくない」というものが積み重なって、今日の優勝につながったと思います。何よりも選手が頑張り、選手が負けたくないという気持ちが強かったということを日々、強く感じながら、特にこの8月、9月はやれたと思います。先発投手もリリーフも、打つ人たちも1打席目に打てなくてもその次に何とかしようと、最後まで諦めないという姿勢が、8月の中旬ごろまではそんなに開いてなかったものが、この1カ月でここまで広げて優勝できた。選手たちの意思の強さ、心の強さというものがすごく表に出た。それが結果としてもしっかり出たと思いますし、彼らの成長を見ているだけで僕はグラウンドではあんまり笑いませんけど、部屋の中でニヤニヤしていました。

――故障者が出た中で投打の歯車がかみ合ったチームの戦い、選手の頑張りを改めて振り返って?

 本当に頼もしく映りました。ここにいる東浜君もこの1年で驚くほど成長しましたし、柳田君も途中から4番として、すごく重責のかかるところに置かれても自分のバッティングを貫いてくれた。おのおのの選手たちの成長というものは、みなさんも見て取れるように成長してくれた。若いピッチャーの人たちも、戦列を離れる投手がいてもそこにしっかりと入ってくれましたし、上林君や甲斐君がしっかりとチームの中に入って主力としてやってくれたのも非常に大きかった。やはりチームというのは総合力で戦うものだと思いますし、その中でどれだけ勝ちにこだわり、負けたくない、負けたら悔しいという気持ちを持って戦うのが何よりも大事だと思いますし、その気持ちが6球団の中で一番強かったのが今年のホークスだったんじゃないかなと。その表れがこういう優勝という形で実を結んだんじゃないかなと思います。

――これから先の戦いに向けて、目標と意気込みは?

 何よりも日本一になることが目標だとは思いますが、それはまた明日から考えたいと思います。今日はとにかく、みんなでこの後で起こる、起こるじゃないな(笑)。やるビールかけを一生懸命楽しんで、終わったらまた明日に備えたいと思います。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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