ハミルトンかベッテルか、V争いは横一線 F1残り7戦のポイントは?
セカンドグループで安定するウィリアムズ
ホンダのPUが改善せず苦戦を強いられているマクラーレン 【写真:ロイター/アフロ】
セカンドグループで頭ひとつ抜け出しているのがフォース・インディア(113ポイント)だ。ここは、セルジオ・ペレス(58ポイント)とエステバン・オコン(55ポイント)によるチームメート同士の戦いが最後まで繰り広げられることになるだろう。ただし、この両ドライバーともに来季はルノーと契約するのではないかと言われていて(後述するホンダがトロ・ロッソと契約した場合はカルロス・サインツがルノーと契約するという話もある)、その契約いかんによっては、チームがどちらかのドライバーを優先させる可能性もある。
そして、セカンドグループ内で激しく争っているのが、ウィリアムズ(55ポイント)、トロ・ロッソ(40ポイント)、ハース(35ポイント)、そしてルノー(34ポイント)だ。
このなかで安定しているのがウィリアムズだ。引退を撤回してチームに再合流したベテランのフェリペ・マッサがコンスタントにポイントを稼ぎ、総資産約2640億円、世界722番目の富豪(『フォーブス』誌2016年富豪ランキングデータ)として知られる投資家ローレンス・ストロールの息子で、今季F1デビューを果たした新人のランス・ストロールが、時折みせる速さ(アゼルバイジャンGP3位、イタリアGP7位)で、さらなるポイントを加算している。このベテランと新人のコンビは最後までいい組み合わせを見せることができるかが今後のポイントになる。
このウィリアムズを追う形で、トロ・ロッソ、ハース、ルノーが続くが、この3チームに共通しているのが、今シーズンのレース最高位は6位ということ。展開にもよるが、メルセデス、フェラーリ、レッドブルに続く順位でチェッカーを受けることができれば、コンストラクターズ5位をウィリアムズから奪うチャンスが十分にある。戦力的にも拮抗している。
来季につながる戦いをホンダは見せられるか
今シーズンのホンダは開幕から苦しい戦いを強いられているが、問題を大きくさせているのが、PUアップデートがスケジュール通り行われなかったことだ。
もちろん想定外のPUトラブルで、第8戦アゼルバイジャンGPでやっと2台完走という状態だけに、アップデートが予定通り進まなかったものと予想はつく。だが、これではパートナーであるマクラーレンからすれば納得がいかない。まったくの新設計PUとはいえ、「ホンダとして3年目なのに過去の経験は生かされていないのか?」となってしまう。マクラーレンはホンダからルノーにPUを来季変更し、代わりにトロ・ロッソがホンダPUを使うことが決定事項として報道され、あとは正式発表を待つばかりの状態だが、このような状態で残り7戦で結果を出すことは非常に厳しいと言わざるを得ない。ホンダとして来季以降につながる戦いを残り7戦で示して欲しいところだ。
このように、今シーズンも残り7戦だが、トップグループ、セカンドグループ、そしてマクラーレン・ホンダと、それぞれに激しい戦いが繰り広げられている。もちろん最大の注目はハミルトンとベッテルによるチャンピオン争いだが、そうした、チャンピオンシップポイントだけではない、さまざまな戦いにも注目して残りのレースを楽しみたい。