立浪氏が見る“打者”中村奨成の可能性 「技術的にはかなりのレベル」
立浪氏が中村のバッティングを分析。「技術的にはかなりのレベル」と評価 【写真:BBM】
大会前から注目していた選手
まずは、バッティングについてです。ホームランもそうですが、打率も6割7分9厘と安定感がありました。フォームを見ていくと、ステップの際、足はほとんど上げていませんが、構えは巨人の坂本勇人選手を真似しているそうですね。いいバッターの素晴らしいところを真似するというのは、高校生くらいの年代までは非常に大切なことです。実際、よく似ていますね。
坂本選手と同じく、引っ張るだけではなく、逆方向にも長打がありますし、技術的にはかなりのレベルの高さを感じます。一番いいところは、好打者の条件でもありますが、インサイドからバットが出ていることですね。さらにインパクトから押し込む力もあるので、あの細い体でも球がよく飛ぶのでしょう。
どのように成長していくか楽しみ
大会で6本塁打とはいえ、プロでもホームランバッタータイプなのかどうかは今は分かりません。今回の甲子園は、ホームランが異常なほど出ましたからね。ただ、これからプロで鍛え、体が大きくなっていくはずですし、どのように成長していくのか本当に楽しみです。
キャッチャーとしては、やはり、あの肩の強さが魅力です。細かいフットワークや配球というのはプロに入ってから勉強することもできますが、肩の強さには天性もあります。いま球界では「打てるキャッチャー」というのが、本当に少なくなっていますし、逆に需要が高くなっているとも言えます。今年秋のドラフト会議では、早実の清宮幸太郎君がプロ志望届を出すようなら、ともに1位で複数球団が競合するのではないでしょうか。
まだ未完成の部分が多いですし、捕手はどうしても時間がかかります。1年目からすぐスタメンは厳しいと思いますが、素質は素晴らしい。プロでしっかり鍛えたら、「ウチのチームの捕手は、これで10年安泰」という存在にもなってくると思います。
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