【UFC】防衛記録更新に挑むD・ジョンソン ディラショーとのスーパーファイトは拒否

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UFCの連続防衛記録更新を狙うデメトリアス・ジョンソン 【Zuffa LLC】

 日本時間9月10日(日)開催予定の「UFC 215」のメインイベントでは王者デメトリアス・ジョンソン(米国)に挑戦者レイ・ボーグ(米国)が立ち向かうUFCフライ級タイトルマッチが行われる。

ジョンソン、アンデウソンの記録更新へ



 UFC公式パウンド・フォー・パウンド・ランキング(全選手の体重が同じであると仮定した総合ランキング)でコナー・マクレガー(アイルランド)、ジョン・ジョーンズ(米国)を抑えて1位に立ち、米大手スポーツ専門局『ESPN』が主催する2017年ESPY賞でもマクレガーを抑えて年間最優秀ファイターを受賞と、まさにUFCの頂点に君臨するフライ級チャンピオンのジョンソン。現在、アンデウソン・シウバ(ブラジル)と並ぶ10連続タイトル防衛成功のレコードを保持している。つまり、今回の試合に勝てば連続防衛記録を更新することになるのだ。

 ジョンソンがこの大一番に戦う相手が、バンタム級トップランカー(現2位)のT.J.ディラショー(米国)になるのではないか、との報道が流れたのは夏の初め頃のことだった。UFC会長のデイナ・ホワイトも、この試合を実現させようとジョンソンに働きかけていたとされる。実現すればスーパーファイトになるかと思われたこの試合を、しかしジョンソンはきっぱりと断っている。

「何のために階級があり、ランキングがあるのか」とジョンソンは言う。「バンタム級ファイターがフライ級に体重を落としてきて、ランキングを飛び越えて挑戦するというのは、スポーツの原理原則に反することなんだ」

「僕はベストを尽くしている。後はファンの見方の問題なんだ」

デメトリアス(左)は、試合に出続けてベルトを防衛していくことが「本当に大変なのはそうしたことなんだ」と話す 【Zuffa LLC】

「UFC 215」を目前に実施された電話会見で、ジョンソンは自らの考えを再度強調している。

「ベルトを取ってチャンピオンになることが一番難しいことだと思っている人がたくさんいる。違う。連続でタイトルを防衛すること、毎回計量に合格し、試合にきっちり出場すること。本当に大変なのはそうしたことなんだ」

 ではジョンソンはスーパーファイトを実現させ、実力にふさわしい人気を獲得したいとは思わないのだろうか。

「ある人にこう言われた。10回連続防衛はまあできる。11回もできそうだ。でも15回までいけば、もはや誰にも届かない伝説になるってね。だから、それをやってみようかなと思っている。僕はまだ31歳で、体調もいい。バンタム級ファイターとの試合は何も急ぐことはない。僕が35歳、36歳になって、減量に飽きた頃にやればいいんじゃないか。今はフライ級での記録を高めていくことに興味があるんだ」

「誰と対戦しても、僕はいつでもフィニッシュを狙って戦っている。流して判定勝ちを取りにいってもいい場面でも、僕はフィニッシュを狙い、最後の1秒でアームバーを極(き)める。僕としてはベストを尽くしてる。後は世間が、安っぽいドラマばかりをめでるんじゃなくて、ちゃんと目を見開いて、本物の才能を見定めることができるかどうかが問題なんだ」

虎視眈々のボーグ、意に介さぬジョンソン

24歳になったばかりのボーグ(右)は、UFC最年少チャンピオン記録の樹立を狙う 【Zuffa LLC】

 対戦相手のボーグはまだ24歳になったばかり。レスリングやボクシングを経てMMAに転向してきたのではなく、13歳の頃からMMAファイターとしての練習を積んできたというオールラウンド戦士だ。今回勝てばUFC最年少チャンピオンの記録を樹立する。トレーニングパートナーはジョンソンと2度の対戦歴があるジョン・ドッドソン(米国)、コーチは策士グレッグ・ジャクソンだというから一筋縄ではいきそうにないが、ジョンソンは意に介さない。

「僕とドッドソンの試合映像を50回でも見て分析すればいい。彼は僕の作戦を分かっていたのに、それでも僕は彼を完封したんだ。ドッドソンほどの強打者と戦った直後でも、僕の顔はきれいなままだった」

「グレッグが今回何をたくらんでくるのか、僕も楽しみにしている。彼の作戦を封じてやろうじゃないか」

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