【KAIENTAI-DOJO】TAKA、記念試合飾れずも生涯現役宣言 後輩オカダも“上から目線”で祝福

高木裕美

“因縁”飯伏とタッグ オカダ&外道と激突

TAKAの25周年記念大会は後楽園が満員札止めとなる大盛況な大会となった 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 4日に行われたプロレス団体KAIENTAI-DOJO「TAKAみちのく25周年記念大会 〜SIMPLE IS BEST〜」東京・後楽園ホール大会では、超満員札止めとなる1616人を動員。メインイベントでは、25年前の同日・同所でデビューしたTAKAが、飯伏幸太と組んで、新日本プロレスのIWGPヘビー級王者である“レインメーカー”オカダ・カズチカ&外道組と対戦した。

 TAKAは1992年9月4日、ユニバーサル・プロレスリングの後楽園大会でデビュー。その後、みちのくプロレス、WWE(当時はWWF)などを経て、2000年にプエルトリコにKAIENTAI-DOJOを設立。02年より道場を千葉県に移し、4月20日に東京・ディファ有明で旗揚げ戦を行うと、その後も若手の育成&興行を開催しつつ、自身は全日本プロレス、新日本プロレスなどにもレギュラー参戦。最近は鈴木軍の一員として新日本マットに定期参戦する傍ら、8.27全日本・両国国技館大会では、ブラックタイガーVIIと共に日本最古のベルトであるアジアタッグ王座を獲得。プレーヤーとして、セコンドとして、メジャー団体でも存在感を発揮している。

 TAKAと飯伏はこれまで4度、シングルで対戦しており、今年の4.23後楽園大会では飯伏がフェニックススプラッシュで勝利。また、リング外の“事件簿”としては、酔っ払った飯伏がTAKAの前髪を肉切りハサミで切ってしまったり、全裸写真をアップしてTwitterアカウントが凍結されたりといった「因縁」がある。

 一方、外道はユニバーサル時代の先輩であり、ジュニア戦線でも何度となく対戦。オカダ&外道とは新日本マットにて鈴木軍対CHAOSとして抗争している。また、オカダと飯伏は過去に2度、シングルで対戦経験があり、いずれもオカダが勝利。外道と飯伏は09年のJ−CUPで対戦し、外道に敗れた飯伏が新日本マットへリベンジを直訴。これをきっかけに飯伏&ケニー・オメガのゴールデン☆ラヴァーズが新日本マットへ出陣し、IWGPジュニアタッグ王座の獲得及び年間ベストバウト獲得につながったという経緯がある。

飯伏に触発され空中技も披露

飯伏らに感化され、TAKAも久しぶりにラ・ケブラーダを披露 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 SKE48の松井珠理奈さんより花束を贈呈されたTAKAは、自らオカダの前に立ちはだかると、得意のサミングから場外へ落とすなど、インサイドワークを発揮。オカダもTAKAの顔面をエプロンにたたきつけると、さらにトペアトミコ、片足で踏みつけながらのレインメーカーポーズ。だが、TAKAも外道にヒザ蹴りを食らわせて反撃。ついにオカダと飯伏の顔合わせが実現すると、飯伏がキックのコンビネーション、パワースラム、ムーンサルトプレスを繰り出せば、オカダもリバースネックブリーカー、ダイビングエルボードロップ。しかし、レインメーカーは飯伏がかわしてオーバーヘッドキックを放つと、さらにミサイルキックからのバミューダトライアングル。これにはTAKAも「元宇宙人の意地が出た」と久々にラ・ケブラーダを披露。この空中技の競演に場内大歓声。

 なおもTAKAはオカダにスーパーK、サミング、ラ・マヒストラルを繰り出すと、外道にはジャストフェースロック、みちのくドライバーII。だが、これはオカダがカット。飯伏はオカダにハイキックからカミゴェを狙うも、逆にレインメーカーの直撃を食らい、万事休す。TAKAがオカダのドロップキックから外道の外道クラッチで固められ、3カウントを献上。自らの記念試合を勝利で飾ることはできなかった。

次の30周年へ向けてステップアップを

IWGPヘビー級王者のオカダは、TAKAを祝福しつつも「本物のプロレスを見せるためにやって来た」と上から目線は崩さず 【写真:SHUHEI YOKOTA】

「25年といっても、(グレート)小鹿さんとか藤波(辰爾)さんとか40年以上やっている方もいるし、まだまだ通過点」と“生涯現役”を宣言したTAKAは、「オレを生かしてくれたプロレス界に恩返しをしたい。世界中のすごいレスラーを使ったオールスター戦とかを手がけてみたい」と、大成功に終わった今大会以上に、自身が培ったコネクションを活用したビッグマッチの開催に意欲。「今日のメインにプロレス界の宇宙人・飯伏幸太がいて、プロレス界の達人・外道さんがいて、プロレス界の超人オカダ・カズチカがいて、ただのプロレスラーのオレが、その中でこれだけやれたのは自信になった。でも、負けて悔しい部分もあるんで、死ぬまで現役で頑張る」と闘志を燃やしつつ、次の30周年に向け、「今日初めて後楽園ホールをいっぱいにできたんで、次は大きな箱に行きたい」とさらなるステップアップを誓った。

 一方、他団体にもカネの雨を降らせ、「レェェェヴェルが違う」本物の“レインメーカー”であることを証明してみせたオカダは、リング上から「今日は一言だけ言わせてください。TAKAさん、25周年おめでとうございます。それ以外に言うことは特にありません」と、あえて締めをTAKAに託すと、「今日はベテランの相手をするために来たわけじゃない。チャンピオンとして、本物のプロレスを見せるためにやって来た」と、あくまでも“上から目線”で大先輩のメモリアルを祝福。また、外道は「強い、弱いじゃない。生きざま、死にざまを見せるのがオレたちだろ」と、“戦友”ならではのエール。飯伏も「自分はまだ13年。僕も25周年を迎えられるように頑張りたい」と刺激を受けつつ、「オカダ選手には全部負けているし、久々に戦って、前よりも強さを感じた。またやりたい」と、IWGPヘビー級王者へのリベンジにも意欲を見せた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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