鼻息荒いアストラ陣営「強気に乗って…」 サマー2000最終戦・新潟記念の座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 夏競馬もフィナーレとなる今週日曜は、サマー2000シリーズの最終戦・新潟記念が行われる。この夏の総決算となる重賞を、TM(トラックマン)陣が熱いバトルとともに斬る!

ここで初重賞制覇を 本紙武井はトーセンバジルを◎に指名

初重賞制覇へ向けて最終追いを消化したアストラエンブレム(右)(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「サマー2000シリーズの最終戦として、王者の行方も気になる一戦だけど、今年は、ここをステップに秋への飛躍を期す馬にも注目が集まっているな」

武井「中でも一番の注目はトーセンバジルですね。3歳秋の神戸新聞杯で菊花賞の出走権を得ながら休養に入りましたが、復帰2戦目からの3連勝で一気にオープン入りを果たした馬です。中でも3連勝目のオクトーバーS勝ちは圧巻の内容で、当時の2着でここにも出走しているハッピーモーメントが目黒記念で3着だったのなら、その時点で重賞級の能力を示していたと言えますよ」

デスク「でも、その後は一線級を相手に好走は阪神大賞典での3着があるだけだし、2000m戦が久々になる点も気懸かりだけど」

武井「初のGI挑戦で完敗となったジャパンCは、夏場から使われ続けてきた疲労も残っていたと思えますし、前走の天皇賞にしても従来のレコードにコンマ3秒差の時計で駆けているんですから、悲観すべき内容ではなく、むしろ着実に地力は強化していると言えます。久々の中距離戦となる点についても、昨夏の新潟の内回り2200m戦で、結構忙しい流れを中団で対応できてましたから、問題はないかと。GIIIレベルで、ハンデも恵まれたと言える56キロなら、勝機十分と見ます」

「追い切りを終えた陣営も“スッと反応できたね。久々になるが態勢は整ったし、動きから良い時のイメージがダブった”と、満足のいく仕上げを強調していましたし、“相手は強いがこの馬も強い相手に頑張ってきたし、その経験が生かせそう”とのこと。秋を睨んでの叩き台というより、ソロソロ重賞を取らせてあげたいという雰囲気が伝わってきましたよ」

デスク「ソロソロ重賞を、という点では、アストラエンブレムにも同じことが言えるよな」

小島「本当は前走で勝っておく予定だったんですが、そのエプソムCについては“デムーロ騎手も色々と考えて乗ってくれたんだけど、ちょっと追い出しを我慢し過ぎたかな。もう少し早目にGOサインを出しておけば、勝ち馬に内をスクわれることはなかったと思う”と、小島茂師は敗因を分析してました。2走前のように前の馬を追い抜こうとしない気性面のネックもありますが、能力的には重賞の1つや2つは取れる器ですよ」

デスク「で、こっちはちょっと意外なんだが、2000mが初めてになるんだな」

小島「師は“1800mに距離を延ばしてから競馬が上手になってきているし、直線が平坦の新潟ならあと1ハロンの延長も気にならない”と話していました。久々になりますが、この馬も勝ちに来た仕上げですし、“今回は後ろから差されてもいいから強気に乗って貰う”と、鼻息は荒かったですよ」

デスク「そんな重賞未勝利組に壁となって立ちはだかるのが重賞勝ちの実績馬だろうな。中でも、勝てば文句なしのサマー王者となるルミナスウォリアーは、陣営も力が入っているんじゃないか?」

小野智「前走の函館記念勝ちは、実績一息の小回りで、しかも初コースで結果を出したもので、思った以上に力を付けている印象を受けましたね。重以上の道悪も初めてだったのに難なくクリアしてみせましたし、相当成長しているんだと思います。昨年は5着止まりでしたが“当時とは馬が違っていますよ”と、和田郎師も自信の表情でした。もともと新潟は得意な舞台で、目下かなりリズム良く乗れている石橋脩騎手が手綱を取るのも心強いですよ」

坂倉ルミナスウォリアーは、メイショウサムソン産駒であることや前走内容からもパワータイプと思われがちですが、昨年5着は僅かコンマ3秒差で上がりの速い決着にもしっかりと対応できる馬ですからね。この1年での地力強化と、前走で勝っているんですからこんなこと言っちゃ失礼かもしれませんが、僕も鞍上強化は魅力だと思っています」

佐藤直「勝てばサマー王者となるのは、タツゴウゲキも同じだぞ。小倉記念勝ちの優秀な持ち時計に加えて、上がり勝負にも対応した3走前の垂水Sは3着でも秀逸な内容と言えるからな。この中間の調教内容も更に中身が濃くなっているし、完全本格化と見ていいんじゃないか」

加茂「前走について、鮫島師は“元々が乗りやすい馬だけど、急遽の乗り替わりでも秋山騎手が巧く乗ってくれた”とのことやけど、前回もここで話したように“体質がパンとすれば重賞を取れる器”と、以前から言うてはったからな。これだけ詰めて使えるのも、痛いところがなくなって充実している証拠。斤量が3キロ増えると言っても、まだ他の有力馬より軽いし、サマー王者も十分狙えるはずやで」

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競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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