ベイスターズの青星寮メニューを実食! 同じメニューでプロ野球選手気分も味わう

カネシゲタカシ

小学生とカレーを食べるDeNAのラミレス監督 【写真は共同】

 ベイスターズの若手が暮らす青星寮(せいせいりょう)。そこで選手たちが食べているカレーが、そのまま横浜スタジアムの人気メニューになっていることを皆さんはご存知でしょうか。

 その名はずばり「青星寮カレー」。名前もシンプルなら、味もシンプル。食べた瞬間「これはカレーですね」と英文和訳っぽいセリフが頭に浮かぶほどオーソドックスなカレーです。

 で、この夏からはハマスタ隣にある球団が運営する複合施設「THE BAYS」内のカフェ「&9(アンド・ナイン)」で、別の寮メニューも食べられるんだとか。野球ファンたるもの、いつドラフト指名されてもいいように心の準備はしておくべき。いまから寮のメニューに慣れておけば入団後も安心です。あれ、40歳を過ぎていても寮入れんのかな? とにかく食べてきました!

三浦大輔も食べた青星寮カレー

「青星寮のメニューをファンの皆さんに食べていただく試みは、横須賀スタジアムで行われるファームゲームに合わせたイベントで何度か行っていました。イベントで青星寮カレーを何度か振る舞ったんですね」

 そう答えてくださったのは球団広報の河村康博さんと、商品企画担当の浦田晃仁さん。新メニューの実食を前に話を聞きました。

「青星寮カレーが誕生したのは30年ほど前です。食欲旺盛な若手選手が夜食などをとる際、カップラーメンやお菓子ではよろしくない。そこで寮でいつでも手軽に食べられるメニューとして考案されたのが、このカレーなんです」(河村さん)

 食堂の隅に保温器に入れて置かれ、お腹が空いた選手はご飯をよそって好きなだけ食べるシステムだそうです。トッピングも福神漬け、らっきょう、チーズなど入れ放題。食いしん坊にはたまらない環境。若手時代の三浦大輔さんも、このカレーを食べて育ったんだとか。でもこの青星寮カレー、味がすごくオーソドックスですよね?

「ある意味それが特徴なんです。みんなが毎日食べるので飽きのこないシンプルな味にしています」(河村さん)
「辛さがマイルドなのも、辛いのが苦手な“おこちゃま舌”の選手がいたりするからです(笑)」(浦田さん)

 なるほど納得。すべて選手のためなんだと知れば、食べるこちらもテンションが上がります。

青星寮カレーと小学生のちょっといい話

 そして2016年から球場メニューの仲間入りを果たし、大人気となった青星寮カレー。なんと球場を飛び出し、学校給食に登場します。これは横浜市とベイスターズが締結したスポーツ振興のための「I☆YOKOHAMA協定」の一貫として実施されたもので、今年5月に横浜市の小学校給食として青星寮カレーが登場しました。

「元々は『DB.スターマン・パン』を作りましょうみたいな話だったんですよ。横浜は近代のパン発祥の地でもあるので」(河村さん)

幻の“DB.スターパン”。これはこれでハマスタで売ってほしい 【イラスト:カネシゲタカシ】

 しかし最近は小麦アレルギーの児童も多いということで却下に。そこで出てきたのがカレーだったというわけです。辛さは抑えつつ、いかに本物の青星寮カレーに近づけられるか。球団と市側で何度も試作を重ねた末に給食デビューとなったそうです。ちなみに反響は?

「ありました! 給食で青星寮カレーを食べた日に試合があって、そこでベイスターズが勝ったんですね。そしたら翌日『きのう僕らがベイスターズのカレーを食べて応援したから、ベイスターズが勝ったよ!』って、先生に言いに来る子がいたそうです」(河村さん)

 わあ、そういうのイイですね!

「あと球団に手紙が届きました。子どもたち一人ひとりから『おいしかったです!』とか。担任の先生からも『子どもたちが喜んでいたのでメッセージを送らせていただきます』などもあって、感激しましたね」(河村さん)

 いい話だなぁ。でもその先生、絶対ベイファンですよ。他球団ファンだったらもみ消していたかもしれない。

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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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