末脚断トツのムスコローソに看板記者も◎ スター候補が集結した新潟2歳Sを激論!

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 新潟では、長い直線での攻防に見応えのある新潟2歳ステークス(GIII)が行われる。4年前の勝ち馬ハープスター、2着馬イスラボニータのように、ここからクラシックホースが生まれるのか、要注目の一戦。優馬TM(トラックマン)陣も入念な取材で陣営の本音を聞き出した。

スタンスは末脚重視 瞬発力一番はこの馬だ!

デビュー戦を5馬身差で制したムスコローソ(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「この時期の2歳重賞では当然のことだけど、ほとんどがキャリア1、2戦で対戦比較もできない馬たちだから、今年も難解な一戦だな」

佐藤直「それはデスクが難しく考え過ぎているだけの話で、このレースではとにかく末脚重視のスタンスで臨めば、そんなに難しくはないんだよ。◎は初戦で上がり34秒1をマークしたムスコローソでいいだろう。それ以上の数字を出した馬もいるけど、レースの上がりが11秒4−11秒4−11秒8という流れを、余力十分で一気に抜け出した内容は断トツだと思うぞ」

小野智「加えて、まだ余裕残しの体つきだったことを思えば、ここでもうひとつギアが上がる可能性も高いですよね。初戦で騎乗した戸崎圭騎手も“凄くイイ馬ですよ。今回は乗れなくて残念ですが、間違いなく好勝負です”と言ってましたが、メンバー中5頭も勝ち上がらせてきたジョッキーの言葉だけに、重みがありますよ。先週の追い切りで跨いだ大野騎手も“乗りやすいし、いい感じの動きでした。マイルも大丈夫ですし楽しみ”と、好感触でしたからね」

デスク「鍵はそこなんだ。短距離のイメージが強いヘニーヒューズ産駒だけに、1400mから距離が延びて本当に大丈夫なのか心配なんだよな」

大江原「そのあたりついて陣営は“初戦を見ての通り、走りに柔らか味があって操縦性も高い馬だから、マイルにも十分対応できる”と、問題がないことを強調していたぞ。能力や現時点での完成度の高さはもちろんのこと、古馬のオープン馬を相手に臆することもなく力強い動きを披露している点で、態勢も万全と見ていいだろうな」

坂倉「僕も末脚重視のスタンスに変わりはありませんが、同じ東京1400mで勝ち上がったプレトリアの方が、末脚のインパクトでは上だと思います。とにかくロスの多い競馬でしたから、数字や着差以上に強い内容だったと言えますし、あの気性なので当日のテンションが鍵となりますが、許容範囲であれば勝ち負けになると見ています」

デスク「確かに初戦はイレ込みがキツかったし、かなり発汗もしてたよな」

西田「加えて、返し馬でも若さを見せていて、こんな状況で大丈夫かな、と私も思ったんですが、意外とレースではしっかりと走れてましたし追い出されての反応が鋭かったですね。使い込むと危うい気性ですが、中間は放牧でリフレッシュされたこともあって、陣営も“まだ大丈夫”とのこと。初戦はカッとならないようにテンから出して行かなかったものの“2戦目ならもう少し反応できそう。距離もマイルまでなら守備範囲”なら、もう少し流れに乗ることもできそうです。たとえ同じ競馬になったとしても、新潟外回りなら間に合っていいはずですよ」

伊利プレトリアの初戦は、3・4着馬が既に勝ち上がっているように、レースレベルも高かったと言えますね。特に3着だったマイネルキャドーの未勝利勝ち時の2着馬サトノオンリーワンは、新馬戦で先日のコスモス賞を勝ったステルヴィオにコンマ3秒差の2着でしたから、現時点で世代の上位にいることは明らかです」

デスク「なんだか色んな馬が出てきて頭が混乱しているが、言いたいことの雰囲気だけはよくわかったよ。一方で、本紙武井の◎フロンティアは、初戦が逃げ切り勝ちで、時計や上がりの数字も目立ってはいないんだよな。過去を振り返っても逃げた馬は馬券になっていないし……」

武井フロンティアの前走は、押し出されてハナを切る形でしたが、ペースを落として折り合い、ラスト2ハロンを11秒1−11秒2でまとめたもので、間違いなく控える競馬もできるはずです。ゴール前では半馬身まで差を詰められましたが、その2着馬アドマイヤアルバは次走で中京2歳Sに挑戦して1分34秒7の好タイムでの2着。むしろ、追撃を凌いで勝ったことを評価すべきです。初戦を勝ち切ったことで、間隔をあけて臨めるのも好材料だと思いますよ」

加茂「ヴゼットジョリーで昨年のこのレースを制した中内田師は“馬込みに入れて競馬を教えたい”と、言うとったけど、ペース次第では今回も前々での競馬になるかも。いずれにしろ“昨年ぐらいの手応えはある”とのことやから、期待できまっせ」

守屋「僕は、初戦で今回のメンバーでは唯一の上がり33秒台をマークしたテンクウを狙っています。その初戦は手応えの割りになかなか前を交わせませんでしたが、“少し怖がりなところがあって、前の馬を気にしたみたい。それでも、抜け出してからの伸びは期待通りのものだったし、調教でもそういった走りをする馬だからね”と、奥村武師は想定内の走りだったことを強調してました。昨年の3着馬である半兄のイブキと同じく、新馬勝ち→当レースというローテーションですが、師は“現時点での完成度でいえばこちらが上。イブキは促して促して脚を使わせていたが、テンクウはコンパクトでまとまっているので瞬時に反応ができる。いつでも動ける感じだね”と高い評価を与えています。今年は時計面などで大きなリードを持っているような馬も見当たらない大混戦の様相ですし、素直に取材の感触も上々の担当馬に◎を打ちました」

小野智「追い切りで初めて跨いだ北村宏騎手も“怖がりな面があるから、と事前に聞いてましたが、全くそんな素振りもなく凄くいい動きでした。何しろ、仕掛けるともう一つギアが上がって別馬になる感触。これなら期待できます”と、ベタ褒めでしたね」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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