【ボクシング】世紀の一戦か、“茶番”となるか メイウェザーvs.マクレガーいよいよ決戦
マクレガー「たった今、ラスベガスはアイルランドになった」
全米で話題沸騰メイウェザー(左)vs.マクレガーの一戦は、日本時間27日にゴングが鳴る 【Getty Images】
「アイリッシュを打ち負かすことはできない。たった今、ラスベガスはアイルランドになったんだ」
母国の国旗を巻きつけて公開計量の舞台に登場した29歳のマクレガーは、壇上でそうまくし立てた。一部では154ポンドのスーパーウェルター級の体を作れるかを疑う声も出ていたが、結局は153ポンドで見事にパス。はかりの上でポーズを決め、ここで再び血気盛んなサポーターたちを喜ばせた。
「俺はプロフェッショナル。体重は守るさ。犠牲を払い、献身的な姿勢で取り組んできた。ピークの状態であることを見てほしい」
この時点でファイトに勝ったような喜びようだったのは、体重調整が厳しかったことの表れか。あるいは試合決定直後から続いてきたファンサービスの一環か。ともあれ、ここでマクレガーのファンたちは“オーレー、オレ、オレ、オレー!”と大合唱し、アリーナはほとんど祭りのような騒ぎになった。
「リングの中央に足を踏み出し、そこから動くつもりはない。誰がやり遂げられるか見てみようじゃないか。明日には俺の体はずっと大きくなる。170ポンドに近い体重でリングに上がるんじゃないかな」
“茶番”の揶揄も……ファンを惹きつける一戦
アイルランドの国旗をまとうマクレガー 【Getty Images】
ただ……例えそうだとしても、ファンをこれだけ惹きつけるマクレガーのカリスマ性にあらためて感心しているボクシング関係者は筆者の周囲にも少なくない。米国のボクシングはスポーツ・エンターテインメント。興行の世界で、ファンに愛されることの価値は軽視されるべきではない。アイリッシュの風雲児は、ファイト前の最後の公式イベントでも大アリーナを震撼させ、そのスターパワーを存分に披露して見せたのだった。