新人王最右翼の大暴れにファンが90%超えの支持

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パ・リーグ2強が激しいつばぜり合い

セ・リーグ新人王争いのトップを走る中日・京田は9日の広島戦で5安打3打点2盗塁の大暴れ 【写真は共同】

 帰省ラッシュの中でもプロ野球は絶賛展開中。巨人の用具運搬車両が交通渋滞に巻き込まれた影響で試合開始が遅れるアクシデントもあった8月7日から13日までのプロ野球を振り返る。
 
 セ・リーグでは、首位快走中の広島が8日に球団史上最速での優勝マジックを点灯させたが、翌9日から3連敗を喫して2勝3敗1分け。優勝マジックも1日で消滅し、週間単位では5月16日〜21日以来の負け越しを喫した。その間に追い上げたい2位以下の球団だが、前週に4勝1敗1分けと好調だった2位・阪神、そして3位・横浜DeNAがともに先週は3勝3敗と足踏み状態。さらに13日に阿部慎之助が史上49人目、巨人の生え抜きでは史上5人目となる通算2000安打を達成した巨人も、その試合を白星で飾ることはできずに3勝3敗。そして最下位の東京ヤクルトは、先週も2勝4敗と負け越して借金は今季ワーストの32となった。唯一、中日が4勝1敗1分けと好調で、ゲレーロが12球団最速でのシーズン30号本塁打に到達する中で、前週から続けて3カード連続の勝ち越しを決めた。

 パ・リーグでは、上位2強が先週も激しいつばぜり合い。福岡ソフトバンクは8日の千葉ロッテ戦で17失点大敗も、翌日からは4試合連続1点差勝ちと勝負強さを見せて4勝1敗。東北楽天も同じく4勝1敗とさらに貯金を増やし、試合数の影響で首位の座こそ譲ったが依然として投打が噛み合った戦いを見せている。一方、前週で大型連勝が13で止まった埼玉西武は3勝3敗とひと休み。同じくオリックスも3勝3敗の五分で終えた。下位2チームは先週も苦しみ、北海道日本ハムは連敗が6まで伸び、球団23年ぶりの借金33。ロッテは5位浮上の可能性もあったが、2勝4敗とまたも借金を増やし、13日の試合前には伊東勤監督の今季限りでの辞任が発表された。

前週のトップ10

 さて、8月7日〜8月13日でもっともファンの支持を集めた選手は誰なのか? スポーツナビが運営するアプリ「スポナビ プロ野球速報」で実施している「みんなのMVP」。ユーザーが設定したお気に入りチームから勝敗に関係なく、各試合でもっとも活躍した選手に投票し、その試合のMVPを決める。両リーグ合わせての得票率週間トップ10は下記の通りとなった。

1位:8月9日 京田 陽太(中)90.4%
2位:8月8日 鈴木 翔太(中)83.7%
3位:8月13日 山田 哲人(ヤ)83.5%
4位:8月11日 浅村 栄斗(西)82.4%
5位:8月12日 薮田 和樹(広)81.4%
6位:8月10日 今永 昇太(D)78.5%
7位:8月12日 多和田 真三郎(西)74.4%
8位:8月13日 岡田 明丈(広)74.3%
9位:8月12日 千賀 滉大(ソ)73.8%
10位:8月13日 伊藤 光(オ)73.7%

切り込み隊長として5安打3打点2盗塁

 得票率トップに立ったのは、好調のルーキー、中日・京田陽太。9日の広島戦に「1番・ショート」で先発出場すると、相手先発・大瀬良大地に対して初回の第1打席で二塁打を放って先制のホームを踏むと、続く3回の第2打席でも再び左中間を破る二塁打。そして5回1死三塁ではライト前へのタイムリーを放つと、6回2死二、三塁ではボテボテのファーストゴロを自慢の俊足でタイムリー内野安打にして自身初の1試合3打点。8回の第5打席でも内野安打を放ち、5打数5安打3打点2盗塁の大暴れ。新人王へ向けてひた走る23歳が、竜党から文句なしで90パーセント超えの支持を集めた。

 2位も中日勢で、1対1の引き分けで終わった8日の広島戦に先発した鈴木翔太がランクイン。前回23日の広島戦では4回途中4失点で試合中に名古屋への強制送還を命じられたが、この日は立ち上がりから相手打線を手玉に取って6回まで失策で走者1人を許したのみのノーヒットノーラン。7回に連打を許して同点に追い付かれて降板したが、7回を3安打1四球1失点の好投で前回の雪辱を果たした。

 続く3位に入ったのは、東京ヤクルトの山田哲人。13日の中日戦でチームが大敗する中で先制のタイムリー二塁打を皮切りに3安打猛打賞の活躍。山田は先週の6試合で23打数12安打の打率5割2分1厘、2本塁打、5打点と気を吐いた。

 その他、4位には2打席連続本塁打を放った西武の浅村栄斗が入ったが、それ以外は投手陣の奮闘ぶりが目立ち、広島の薮田和樹は12日の巨人戦で菅野智之との投げ合いを制した上で、9回4安打無失点でのプロ初完封勝利。横浜DeNAの今永昇太は7回9奪三振1失点の力投を披露し、西武の多和田真三郎は9回6安打無失点で今季初完封。広島の岡田明丈は6回1失点で今季11勝目を飾ると、千賀滉大は7回無失点で育成出身としては初となる2年連続の2ケタ勝利を達成した。

 夏の甲子園でも熱戦が続くが、プロ野球ペナントレースからも目が離せない。

(テキスト:ベースボール・タイムズ)
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