データも後押しテイエムジンソクが最有力 中央唯一のD1700m重賞エルムSを徹底分析
年齢別成績
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走着順別成績
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走クラス別成績
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
好走例が10回と最多なのは前走オープン特別。ただし、好走率、回収率ともに数字はひと息で、絞り込みが欠かせない。そこで前走着順を確認すると、前走1〜3着が【4.1.4.15】なのに対し、前走4着以下は【0.1.0.24】となっている。表6の項で確認した傾向以上にクッキリと明暗が別れており、前走オープン特別出走馬は1〜3着だった馬を狙いたいところだ。4着以下から好走した唯一の馬は、前述したオーロマイスターだった。
前走が中央重賞だった馬は、前走1〜5着なら【0.3.0.7】、前走6着以下なら【0.0.1.12】と、掲示板が分水嶺となっている。6着以下から好走した唯一の馬は、これも前述したインカンテーションである。一方、前走で地方交流重賞にしていた中央所属馬は総じて好成績で、前走着順を問わず該当馬がいれば狙ってみたいところ。前走が条件戦だった馬の出走例は少ないが、昨年は1600万下を勝ったばかりのリッカルドが7番人気1着と穴をあけており、これも該当馬がいれば侮れない。
ダート1700mの1着実績の有無
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
前走が地方交流重賞だった中央馬は、前走着順を問わず好成績を収めている。今年該当する4頭のうち、タマモホルンは前走まで地方所属で今回が中央再転入初戦。以前は未勝利のまま地方に転出しており、さすがに厳しいか。残る3頭は、岩手のマーキュリーCで2〜4着に入ったピオネロ、クリノスターオー、ドリームキラリで、いずれも前走4角1〜5番手も満たしている。面白そうなのは5歳のドリームキラリで、昨年当コースで勝った実績も持っている。対して、エルムS2着2回があるクリノスターオーに適性面の問題はないだろうが、ピオネロにはダート1700mの1着実績がなく、気になるところではある。
前走が中央重賞だったのはモンドクラッセ、ラインハート、ロンドンタウンと3頭いるが、いずれも6着以下で、G1実績も持たない。ならば、前走でダート1700mの1600万下を勝った4歳馬のコスモカナディアンの上昇度に期待してみる手はあるだろう。
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。