中日・岩瀬を“元妻”小田幸平氏が語る 「大記録に少しでも関われてうれしい」

ベースボール・タイムズ

8月6日の巨人戦、プロ野球新記録となる通算950試合登板を果たした中日・岩瀬 【写真は共同】

 中日・岩瀬仁紀が通算950試合登板を果たし、プロ野球史上最多登板記録を更新した。プロ19年目、42歳で大記録を達成した男の“鉄腕ぶり”を、中日で9年間をともに過ごし、名バッテリーを組んだ小田幸平氏に聞いた。

“カッチカチ”な体が今季復活の理由

――岩瀬投手が最多登板記録を更新しました。一昨年は1軍登板なし、昨季も15試合登板に終わりましたが、今季はこれで46試合に登板しての記録達成です。今季、復活できた理由はあるのでしょうか?

 ホント、よく復活してくれたと思います。今年、実際に会った時に一番驚いたのは、体が大きくなっていたということですね。毎年、オフの間にはしっかりと体はつくっていましたけど、今年は特別だった。触っても“カッチカチ”でしたからね。『え!? どうしたんですか? どんだけ鍛えたんですか!?』って感じでしたから。それだけ今季に懸ける意気込みが違ったのかなとは感じましたね。

――6月は14試合に登板して防御率0.00。月間MVPも受賞しました。

 42歳という年齢で月間MVPみたいな賞を取るというのは本当にすごいこと。ケガもあって、この2年は思うように投げられなくて、自ら『白黒ハッキリつける』と言って再チャレンジを誓った中での今季の活躍ですからね。そういう生きざまを、周りの若い選手たちには見てもらいたいですね。

――今季の岩瀬投手のピッチングを見て、具体的にどの辺りが良くなったと感じますか?

 とにかく球の勢いが戻ってきた。そして狙ったところにきっちりと投げることができている。球速も出ていますし、ボールのキレという部分でも、打者が見逃す場面も多くて、三振も取れていますから、あるように感じますね。でもそれは実際に(捕手として)受けてみないと分からない。なので、受けてみたいですね。数年前と比べてどうなのか、と。何より、楽しそうに投げている。見ている方も気持ちがいいですよ。

プライベートでも結局は野球トークに

――岩瀬投手は高校から大学、社会人を経て1999年にプロ入り。小田さんは高校から社会人に進み、その前年の98年に巨人に入団しました。対戦相手としての「投手・岩瀬」は、どういった存在でしたか?

 そりゃあもう、雲の上の存在ですよ。プロ1年目から大活躍して、岩瀬さんが出てきたら試合は終わりだという感覚でしたからね。でも試合の中で実際に対戦したことはないんですよ。僕自身がそんなに試合に出ていませんでしたし、出た試合でも岩瀬さんがマウンドに上がれば、絶対に僕には代打が送られますから(苦笑)。

――その後、2006年に小田さんが中日に移籍しました。チームメイトとなってから岩瀬投手に対する印象は?

 真面目なイメージはありましたけど、実際はすごく冗談も言うし、明るい人だ、面白い人だな、と思いましたね。ご飯とかに誘ってもらったりして、そういう面倒見の良さもあって、話していてすごく楽しかったですね。先輩に対してこういう言い方は申し訳ないですけど、すごく気を使わなくて、楽でしたね。

――「面倒見の良さ」とのことですが、球場以外で会う「先輩・岩瀬」との思い出は?

 プライベートでもご飯などはよく一緒に行きましたからね。でも、結局は野球の話になっちゃうんですよね。だから、『岩瀬さんって、本当に野球が大好きなんだな』っていうのはすごく感じました。前の試合の配球、リードとか、すごく勉強になりましたし、その時間が楽しかったですし、一番の思い出ですね。

――お酒はまったく飲めないというのも聞きますが?

 そうですね。まったく飲まない(苦笑)。チームのみんなでお酒の飲める店に行っても、周りが焼酎の水割りを頼む中で、『ウーロン茶の濃いの』とか、『ウーロン茶のロック』って頼んでいましたから(笑)。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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