侍ジャパン稲葉新監督への期待と懸念 強化本部の新設は明るい材料
山中正竹強化本部長の手腕に期待
山中正竹強化本部長(左)と握手する稲葉新監督 【写真は共同】
一方、稲葉新監督のお披露目となった7月31日の会見では運営のお粗末さが目に付いた。報道陣が100人以上集まったなか、代表質問を除き、質問の機会を与えられたのは筆者を含めてわずか3人。「時間の都合」と説明されたが、ジャーナリストたちは聞きたいことがたくさんあったはずだ(もっとも、質問機会に挙手した記者の数は限られていたが)。より多くのスポットライトを稲葉新監督に当てるチャンスであり、記者との質疑応答に十分な時間をとるべきだった。
なぜなら本来、侍ジャパンの目的はただ国際大会を戦うだけではないからだ。プロアマの一体化、野球人気回復、野球の国際化など、グラウンド上の戦いの向こうには多くの使命を担っている。
志を高く持ち世界の野球に目を
2013年WBC後に常設化された侍ジャパンの目標はあくまで「世界一」のはずであり、そこにたどり着ける機会は東京五輪の先にある2021年WBCだ。自国開催の五輪に標準を絞ったなどと小さなことを言うのではなく、もっと志を高く持ち、世界の野球に目を向けてほしかった。
日本球界のさまざまな障壁を壊すために常設化された侍ジャパンは本来、それほど大きな理念を持っているはずだからである。