【新日本プロレス】 オカダは唯一の全勝 内藤、棚橋は並走 G1クライマックス前半戦 振り返り
G1第8日まで終了し、両ブロック通じて全勝はオカダのみとなった 【写真:SHUHEI YOKOTA】
今年は28日間に渡り、全国各地で全19大会が行われ、全20選手がA、B2ブロックに分かれて総当たりリーグ戦で対戦。各ブロックの1位同士が8.13東京・両国国技館大会の優勝決定戦で激突し、優勝者は来年1.4東京ドーム大会のメインイベントでIWGPヘビー級王座へ挑戦できる権利証を獲得する。
優勝候補・内藤は“オクパード”な状況続く
圧倒的なファンの支持を得ている内藤。悲願のドームメインに向け、オクパードな戦いが続く 【写真:SHUHEI YOKOTA】
今年のG1でもっとも“優勝待望論”が叫ばれているのが、“現役NO.1レスラー”内藤だろう。13年にG1初優勝した時には、ファンから支持されず、翌年の1.4東京ドーム大会では、IWGPヘビー級選手権試合がセミファイナルに“降格”となる屈辱を味わわされながらも、そのやさぐれた思いが原動力となり、いまや“制御不能な男”として大ブレーク。今年開催された雑誌Numberの「プロレス総選挙2017」では、最初から最後までぶっちぎりの1位を獲得。かつてのブーイングから一転、会場人気も熱い。
開幕戦では飯伏に勝利し、「時代が自分に味方している」ことを証明してみせた内藤。現在はファレからの1敗のみだが、今後、石井、後藤、ザック、真壁、そして最終戦には因縁の棚橋と、すべて決勝進出圏内の相手を迎え撃つことから、まだまだオクパード(忙しい)状況が続くが、4年ぶりにG1優勝の栄冠を手に入れ、来年こそ悲願の「1.4東京ドームのメイン」に立つことができるか注目だ。
台風の目・ザック、山崎一夫さん再現なるか
開幕戦で棚橋を破ったザックはAブロックの台風の目となりそうだ 【写真:SHUHEI YOKOTA】
そして、今大会の台風の目となったザックも、開幕戦で棚橋からギブアップ勝ちを収めると、7.26仙台では、圧倒的な体格差のあるファレからも丸め込みで3カウントを奪取。トーナメント形式で争われた89年の準優勝者・山崎一夫(優勝は故・橋本真也さん)のように、得意のサブミッションやテクニックを生かし、いきなり決勝の舞台まで躍り出る可能性もありそうだ。
G1で一際異質な戦いを見せている飯伏。ここから巻き返せるか? 【写真:SHUHEI YOKOTA】
その飯伏にとって、今G1でもっとも重要な戦いとなるのが、29日に地元・鹿児島大会のメインイベントで組まれた棚橋戦だろう。北は北海道から南は鹿児島まで、全国各地を巡る今年のG1だが、「地元」の大会でメインに組まれている選手は、飯伏と8.8横浜の鈴木みのるのみ(東京都出身選手をのぞく)。愛知県出身のオカダ、岐阜県出身の棚橋は地元興行では公式戦が組まれておらず、同じく愛知出身のYOSHI-HASHIは名古屋大会ではセミファイナルに出場。神奈川県相模原市出身の真壁は、近隣の東京都・町田大会ではメインに登場しているが、これまで「お膝元」としていた横浜大会は、公式戦から外れた上、外敵であるみのるにメインの座を占拠されている。
飯伏と棚橋は当初、14年のG1公式戦で対戦予定であったが、飯伏が直前の大会で起こした脳震とうの後遺症のため欠場となり、翌15年の公式戦で初激突。棚橋に敗れはしたものの、飯伏の中では、大きな意義のある戦いとなった。昨年2月に退団後、新日本のリングからは遠ざかっていた飯伏だが、G1公式戦とはいえ、現IC王者からシングルマッチで勝利となれば、タイトル戦線へ絡んでくることも期待されることから、鹿児島では他会場以上に飯伏人気が爆発しそうだ。
【Aブロックここまでの成績】
内藤哲也(3勝1敗=6点)
棚橋弘至(3勝1敗=6点)
ザック・セイバーJr.(3勝1敗=6点)
飯伏幸太(2勝2敗=4点)
真壁刀義(2勝2敗=4点)
後藤洋央紀(2勝2敗=4点)
バッドラック・ファレ(2勝2敗=4点)
石井智宏(2勝2敗=4点)
YOSHI-HASHI(1勝3敗=2点)
永田裕志(0勝4敗=0点)