“走らない運動”で強くなる! 『クロストレーニング』のススメ

三河賢文

ランナーにおすすめの4種目

【写真提供:三河賢文】

 それでは具体的に、ランナーにおすすめの種目を4つご紹介します。どれも私自身が日々のトレーニングで取り入れているものですので、ぜひ参考にしてみてください。

【写真提供:三河賢文】

1.水泳
クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、あるいはバタフライ。何でも構いませんし、全力で泳ぐ必要もありません。水泳は浮力があるので、身体に負担なく行うことのできる有酸素運動。走るのと同様、体力の維持・向上に繋がります。また自然と全身を使って動くため、例えば上半身や背中など、ランニング時に意識しにくい部位までバランスよく鍛えられます。

2.ロードバイク
主に下肢による運動ですが、姿勢維持には思いのほか体幹部を使います。ペダルとシューズがくっつく“ビンディングペダル”を使えば、ペダリングに“押す”だけでなく“引く”動作が加わるでしょう。お尻や太ももなど、後ろ側の筋力強化も期待できます。特に「いつも長く走るとふくらはぎが疲れる」という方は、この後ろ側の筋肉を上手く使えていない可能性が。自転車を漕ぐことで、筋肉の使い方が身についてきます。

【写真提供:三河賢文】

3.登山/トレイルランニング
登山は足元が不安定なため、バランス力が養われます。トレイルランニングも良いですが、ある程度の高さ・傾斜のある山なら歩くだけでも十分。“登る”という動作は想像以上に下肢の筋力を多用し、心肺にも負担が掛かります。また、上り坂では平地と比べて地面を“押す”力が求められるため、ランニングでの反発力強化(=推進力向上)にも効果が期待できるでしょう。

4.ヨガ
身体全体のバランスを整えるほか、柔軟でしなやかな筋肉を作り上げるのにヨガはオススメです。「身体が硬いから」という方でも大丈夫。無理のない範囲で継続すれば、次第に身体が変化していくのを感じられるでしょう。1つ1つの動きから、身体のズレや筋力差、バランスの悪さなどを感じ取ることができます。

5.体幹トレーニング
ランニング時のフォーム維持に、体幹部の強さは欠かせません。身体が左右前後にブレたり、前傾姿勢を維持し切れずに腰が落ちてしまったり。記録に伸び悩んでいる方は、こうしたフォーム悪化が原因となっているケースが多いようです。そのため、体幹トレーニングはぜひ積極的に取り入れたい運動。ただし同じ体幹トレーニングでも、土台となる姿勢や身体の動かし方を心得ていないと、思ったような成果が得られません。現在は書籍などもたくさん出ていますが、可能な方は、まずトレーナー等から指導を受けると良いでしょう。

【写真提供:三河賢文】

 このほかトレーニングではありませんが、大会前や疲労が溜まっていると感じた際には、筋膜リリースやストレッチを行っています。毎日ただ走るのではなく、身体の状態を見極めて回復に努めることも重要なポイント。なんとなく毎日走っているという方なら、クロストレーニングが日々にメリハリを生み出してくれるかもしれません。
 あるいは子供がいれば、部活などで取り組んでいる種目を一緒にやってみるのも良いでしょう。私はたまに子供とスラックラインという運動を行いますが、遊びやコミュニケーションのついでに、興味のあることにチャレンジしてみるのもオススメ。関連性のなさそうな種目でも、実際に取り組んでみると、意外にランニングでも活かされる発見があるものです。

2/2ページ

著者プロフィール

中学生の頃から陸上競技を始め、大学では十種競技選手として活動。引退後、約7年のブランクを経て2011年6月よりランニングを開始。同年にハーフマラソン、フルマラソン、翌年には100kmのウルトラマラソンやトライアスロン(オリンピック・ディスタンス)も完走。沖縄本島1周マラソンなどを始め、今では“超長距離”レースにも数多く出場している。また“トウモロコシ”や“アザラシ帽子“をトレードマークに、仮装マラソンも楽しむ。ランニングブログも不定期更新中。趣味と過去の経験を活かし、現在は東京都葛飾区内にある中学校の陸上部にて、外部コーチとして指導も行っている

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント