- F1速報
- 2017年7月26日(水) 16:06

F1ジャーナリストの今宮純氏が様々な要素を「対決」させていく連載企画。第8回は伝統ある2つのコースを比較していく。鈴鹿とシルバーストン果たしてどちらが速い!?
今年の鈴鹿は記録更新が必至
シルバーストンが速いか、鈴鹿が速いか――。英国モーターレーシングの聖地と日本最古のサーキットを“比較(対決?)”する。どちらが勝ちか負けか引き分けか、F1夏季休暇を前に余話的なテーマを。
第10戦イギリスGPでポールポジションのルイス・ハミルトンが1分26秒600(平均時速244.891キロ)のコースレコードを樹立。昨年予選Q2の1分29秒243を大きく更新した。現在、鈴鹿のレコードは2006年の予選Q2でミハエル・シューマッハが記録した1分28秒954。ラップタイムを単純比較すると昨年まで鈴鹿は速かった。
10年に現コースに大改修されたシルバーストンは全長5.891キロ。基本レイアウトはほぼそのままで細部改修されてきた鈴鹿は5.807キロ。84メートル差でしかない。そこで12年から5年間のシルバーストンと鈴鹿のポールポジションタイムを比較(12年は予選ウェットなのでドライのフリー走行3回めのベストを抽出)。
2012年
シルバーストン:1分32秒167
鈴鹿:1分30秒839
⇒鈴鹿 −1.328秒
2013年
シルバーストン:1分29秒607
鈴鹿:1分30秒915
⇒シルバーストン −1.308秒
2014年
シルバーストン:1分35秒766
鈴鹿:1分32秒506
⇒鈴鹿 −3.260秒
2015年
シルバーストン:1分32秒248
鈴鹿:1分32秒584
⇒シルバーストン −0.336秒
2016年
シルバーストン:1分29秒287
鈴鹿:1分30秒647
⇒シルバーストン −1.360秒
シルバーストンの“3勝2敗”だ。とはいえ、こうして比べると、鈴鹿のPPタイムがかなり接近しているのが分かる。コース条件など差異があるけれど、夏のイギリスGPと秋の日本GP予選タイムバトルの“指標”として、参考に値するのではないだろうか。
今年の10月7日、鈴鹿での日本GP予選で06年のシューマッハの記録が破られるのは必至。1分28秒台前半、いや27秒台突入か、いやいや26秒台までいってしまうのか。そこで気になるのが現役のPPキング、ハミルトンがまだ鈴鹿で一度も獲得していない事実。昨年フリー走行でも1セッションもトップに立てず、PPゼロのジンクスをずっと続けたままなのだ。