プロ野球後半戦に主役の座を狙う新星たち 予想を上回る飛躍を遂げた選手とは!?
テイクバックの小さい独特のフォームを武器にする広島・薮田。今季8勝を挙げ、“ポスト・黒田”に名乗りを上げた 【写真は共同】
ポスト・黒田に名乗りを上げた右腕
想定以上という意味では、秋山拓巳(阪神)が当てはまる。高卒1年目の2010年の夏以降に7試合に先発して4勝(3敗、防御率3.35)を挙げて次代のエース候補として期待されたが、以降の6年間で26試合に登板して2勝8敗、防御率5.61と伸び悩んだ。しかし、今季は開幕ローテを勝ち取って安定したピッチングを続けて再浮上。5月16日の中日戦(甲子園)では9回6安打1失点、12奪三振で自身プロ1年目以来の完投勝利をマークするなど、前半戦14試合に先発して7勝(4敗、防御率3.44)を挙げ、自身初の2ケタ勝利も手の届くところにある。
ともに初の球宴出場も果たした。ダメージが蓄積される夏場以降、どこまで成績を伸ばせるか。1年間を通して安定した数字を残すことが、次へのステップとなる。
ラミレス監督の秘蔵っ子が打率トップ
打率3割4分9厘とリーグトップで前半戦を終えたDeNA宮崎。ラミレス監督の信頼に応える活躍を見せている 【写真は共同】
89年生まれの28歳、安部友裕(広島)も日の目を見るまでに時間を要した。2007年高校生ドラフト1位として入団して今季が10年目。昨季115試合に出場(スタメン60試合)して打率2割8分2厘、6本塁打、33打点と飛躍への足掛かりをつかむと、今季は一時打率トップに立つなど打撃好調で、前半戦76試合に出場(スタメン60試合)して打率3割7厘、1本塁打、28打点、10盗塁をマーク。サードの定位置を完全確保している。
ともに大器晩成型。同世代のライバルたちに後れこそ取ったが、今季の活躍で知名度は飛躍的にアップしている。