藤沢和&ルメールの2歳王者サトノアレス 函館記念1番人気10連敗の呪いに挑戦!

競馬専門紙「優馬」

今年も間違いなく荒れる! 狙いはコノ馬

初重賞制覇を目指すアングライフェン(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

小桧山「俺は直近の巴賞の結果を素直に信じたいな。中でも2着だったアングライフェンは、1800mより2000mがベストの馬だし、クビ差届かなかったサトノとの斤量差も1キロ縮むわけだからな。日曜は雨の予報も出ているが、渋るのはむしろ歓迎のクチだぞ」

清野「函館記念の傾向でハッキリしているのが、内枠有利と差し馬有利です。それを考えれば、前哨戦として多くの連対馬を送り出している巴賞で、しっかりと脚を使ったアングライフェンに私も白羽の矢を立てたのは必然的な流れです。函館コースも2000mにも信頼の置けるステイゴールド産駒で、この函館で乗れている北村友騎手なら、期待に応えてくれるはずですよ」

三代川「ここは前が飛ばす展開となって、後続も3角手前からペースが上がると予想していますが、アングライフェンは、重賞での過去最高着順(5着)だった5走前の京都記念も同じような展開でした。コーナーで加速できて長くいい脚を使えるのが魅力で、このメンバーなら上位争いできるはずです」

目黒「上がり最速の脚を使った前走については“こちらが予想していた以上に滞在競馬が合っていた。状態も良かったし、洋芝の適性も掴めていい内容だったと思う”と、そして“レースを使ってからの回復も早かったし、今回もいい状態で臨めそう”と、安田翔師はかなり評価してました。ただ、8頭立てだった前走と違って今回はフルゲートですからね。道中でいかにリズム良く運べるか、勝負どころでうまく捌けるか、など、クリアする課題はありそうです。というわけで、個人的には印を回せませんでしたが……」

デスク「で、目黒の◎はステイインシアトルか。ここまでのみんなの話を総合すると、流れは厳しいものとなりそうだが……」

目黒「同型の逃げ先行馬が揃って展開的には楽観できないということは百も承知ですが、レベル的に微妙だった巴賞組よりも強敵が揃っていた鳴尾記念の1着を素直に評価したいんですよ。いまだキャリア10戦ですから、伸びしろもまだまだありそうですし、今週からのBコース替りも、有利に働くんじゃないかと思います」

三代川ステイインシアトルは、過去5勝が全て逃げ切りですから、ここも迷いのない戦法かと思いますが、何かに絡まれた時点でアウト、となるような気がします」

小桧山「鳴尾記念は、巧みなペース配分で“さすが天才ジョッキー”と言える競馬。今回もそんなレースができれば……といったところだけど、同型が揃ったとはいえ、隊列が決まれば坦々とした流れになる可能性もあるんだよな。4走前には、番手からハナ差2着という競馬もできているし、橋口助手も“外から被されない競馬でスンナリと”と、陣営にはけっして逃げにはこだわっていない雰囲気もあったんだ。とにかく自分の競馬ができれば、だろうな」

打越「俺はルミナスウォリアーで勝負になると思うぞ。相手なりに走るタイプとはいえ、ここ2走はGIIでの掲示板確保なんだから、GIIIなら足りるレベルだろ。今回は4ヶ月ぶりの放牧明けになるけど、これまでの休み明けは5戦4連対で、むしろ久々の方が走る馬だしな。3走前のディセンバーSでは同斤量でコンマ1秒届かなかったツクバアズマオーとは、今回2キロのハンデ差があるし、ここは逆転できるんじゃないかな」

山崎ルミナスウォリアーは、函館コースはもちろんのこと、札幌を含めた北海道の洋芝が初めてとなるんですが、陣営に聞くと“特に心配はしていない”とのことです。“理想は広いコースだけど、巧く立ち回ることができれば、小回りコースでも大丈夫”とも言ってましたし、能力自体を割り引く必要はないかもしれませんね」

デスク「今回はローカルスタッフとして、例によって“真面目バージョン”の木谷だが、◎サクラアンプルールっつうのは、いつもと大して変わらんな」

木谷「何をおっしゃいますか。サクラアンプルールは、豪華メンバーの揃った中山記念でネオリアリズムとロゴタイプの間に割って入った2着を大いに評価すべきです。前走の敗因は諸々考えられますが、力を出し切っての敗戦ではないですから。それに先行勢が揃ってインが渋滞しそうですし、大外枠もむしろプラスに出るんじゃないですか」

板子「前走の大阪杯については“レース前からテンションが高かった”と、池上助手は言ってましたが、初めてのGI挑戦なら大目に見ていいでしょうね。今回は、放牧先から一旦美浦へ帰厩してから函館へ。2度の輸送があったことと、本来が叩き良化型で、“ピークだった中山記念当時と比べて、デキは8分程度”とのことです。調教での動き自体は悪くないんですが、じっくり溜める競馬でどこまでやれるかでしょう」

デスク「そして、もっと人気がなさそうなところに◎を打ってきたのが馬場ちゃんだが」

馬場「別に木谷君に対抗したわけではないんですが、僕の◎レッドソロモンは、オープン特別2勝の実績自体、ここでは見劣りはしないはずです。昨年は、準オープンとはいえこの函館2000mで勝っていますし、滞在競馬で課題となっている気持ちの問題さえクリアできれば、面白いと思いますよ」

デスク「あと、GI大敗後の実力馬、というのも結構アリかと思うんだが……」

目黒タマモベストプレイは、放牧先から栗東に帰厩して坂路とCWでしっかり乗り込まれたようですし、“帰厩した当初は捌きが硬かったけど、時間をかけて調整したから、雰囲気はいいよ”と言う南井助手の表情を見ても、仕上げに抜かりはなさそうです。ただ、今年の函館は例年より時計の速い馬場で、しかも最近は長距離戦を使われることが多い馬だけに、小回りの2000mへの対応は難しい課題になると思います。得意の札幌の長丁場戦への、叩き台的な意味合いが強いのではないかと」

小桧山ヤマカツライデンにも同じようなことが言えるな。展開面で鍵を握る一頭だけど“放牧からいい雰囲気で戻ってきて、鉄砲も利くタイプだし動ける態勢にある。逃げが理想だが番手でも運べるし、途中から動けるようなら行っても……”と池添兼師は言うものの、同型が揃っての2000mではちょっと苦しいと思うぞ。目標とするところは、タマモと同じ札幌の長丁場だと思うけどな」

木谷「最後に、穴中の穴をもう一頭挙げさせてください。巴賞で目立ったのはサトノアレスアングライフェンよりもナリタハリケーンの末脚でした。超久々に芝を使ったのにあれだけの競馬ができたんですし、今回はそこから更に2キロ減なので、ひょっとするとひょっとするかも知れませんよ」

デスク「さてと、俺の注目馬だが、ここまで名前の挙がっていないスーパームーンを狙うぞ。これが藤沢和厩舎に通用するかどうかは別として、“2頭出しは人気薄を狙え”の鉄則があるわけだし、サトノアレスが生まれる前からバリバリ走っていた馬が、2回続けて負けるわけにはいかんだろ。あと、土曜の福島メインはクインズサターンが勝って、中京メインはストロングタイタンが勝つという“天体つながり”もある(編集部注・座談会が開催された時点で結果は出てません)からな。ま、最後の部分は、今回は真面目バージョンな木谷の替わりに、俺がこじつけただけなんだけどな」

木谷「すいません。スーパームーンは僕も△で目を取っています。理由は敢えて言いませんが……。で、日曜のメインも凄いんですよ。福島ではオリオン2頭にコスモやムーンが、中京にもタイタンやヒコボシがいて……」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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