1番人気が勝てない函館記念 2歳王者サトノアレスに苦戦のデータ

JRA-VANデータラボ

前走レース別成績

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は前走レース別成績で、函館記念1〜3着馬を2頭以上出した前走のみ掲載した。出走例、好走例ともに多いこの4レースが、函館記念の前走として有力なようだ。そのなかでも出走例、好走例ともに最多の前走巴賞については、表5の項で後述する。

 前走目黒記念は、勝ち馬を3頭出したものの、それ以外の馬はすべて4着以下という極端な傾向が出ており、一発に注意したい。前走新潟大賞典は出走した4頭中3頭が好走を果たしており、該当馬がいたら侮れない。前走エプソムCも1〜3着馬を1頭ずつ出しており、好走率、回収率ともに優秀だ。

前走巴賞出走馬に関するデータ

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は、前走巴賞出走馬に関して「前走着順」と「前走4角通過順」をまとめたもの。まずは前走着順から見ていくと、目につくのが巴賞1〜3着馬の不振で、合算して【0.1.1.15】と厳しい数字が残っている。むしろ、4〜9着に負けていた馬のほうが狙いやすいぐらいだ。また、前走4角通過位置も面白い傾向が出ており、4角1〜3番手だった馬は【0.1.2.14】と、巴賞で前に行っていた馬は苦戦している。すなわち、4角4番手以降から届かず4着以下に負けていた馬が、巴賞の狙い目といえるのではないか。

表4の4レース以外の前走着順別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6は、表4で掲載した「目黒記念、巴賞、エプソムC、新潟大賞典以外の前走」だった馬について前走着順別成績をまとめたもの。これを見ると、前走でも1〜3着に好走していた馬か、前走では6着以下と掲示板にも載れなかった馬、そのどちらかしか好走していないことがわかる。前走が主流4レース以外だった場合は、極端な結果だったほうが函館記念の好走につながるようだ。

表6における前走6着以下馬の斤量増減別成績

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は、「表6における前走6着以下馬」についての斤量増減別成績を調べたもの。これを見ると一目瞭然で、斤量(ハンデ)が減った馬しか好走していないことがわかる。つまり、前走が主流の4レース以外で6着以下に負けていた場合、斤量減の馬のみ巻き返しが可能となっているようだ。

結論

 まずは巴賞組から見ていこう。今年も6頭がエントリーし、最大勢力を構成している。そのなかでも注目されるのは、昨年の2歳王者サトノアレスで間違いない。しかし、巴賞で4角3番手から1着という成績は、こと函館記念に関しては苦戦のデータに合致してしまっている。2、3着に来る可能性はあるだろうが、本命には推しづらいところだ。

 狙ってみたいのは4角4番手以降から4着以下に終わっていた馬で、今年該当するのはトウシンモンステラのみ。巴賞組からはこの馬を抜擢してみたい。

 そのほか、前走の主流4レースに出走していたのは、パリカラノテガミ(前走新潟大賞典10着)、マイネルミラノ(前走エプソムC7着)とカムフィー(同13着)の3頭のみ。いずれも前走着順は微妙だが、好走率が非常に高いローテーションというだけで無視はできない。マイネルミラノは前年の勝ち馬でもある。

 そのほかの前走からは、前走鳴尾記念1着のステイインシアトルはもちろん有力だろう。また、前走6着以下から巻き返しを狙う馬として、前走より斤量が減っているサクラアンプルールタマモベストプレイヤマカツライデンルミナスウォリアーの4頭を挙げておきたい。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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