野手も万全の上位指名候補は不在だが、それぞれのポジションに面白い選手が揃った。捕手で最注目なのが松本直樹（西濃運輸）。２秒を切れば強肩と言われるセカンド送球のタイムで１.７秒台をマークするスローイングは間違いなくアマチュアナンバーワン。とにかく捕球から送球までの動きが速く、それでいてボールの勢いも落ちることはない。パンチ力のある打撃も魅力だ。高校卒３年目の岸田行倫（大阪ガス／ＮＴＴ西日本の補強選手）も攻守に力はあるが、補強選手だけに出場機会があるかは微妙だ。

　内野手では田中俊太（日立製作所）と藤岡裕大（トヨタ自動車）が双璧。田中は兄（広輔・広島）によく似たプレースタイルのセカンドで、打撃に力強さが出てきて隙がなくなってきた。藤岡も高いレベルで三拍子揃い、特に強肩が魅力で三遊間と外野をこなす器用さも持ち味だ。右の強打者タイプでは北川利生（日本通運）がおすすめ。昨年の都市対抗でもライトへ一発を放っているように、広角に長打を打てる巧さがある。創価大時代には捕手、一塁手、外野手でベストナインを受賞しており、強肩と器用さがあるのも長所だ。

　昨年の大会で活躍した山岡泰輔（東京ガス→オリックス）、源田壮亮（トヨタ自動車→埼玉西武）は既にチームに欠かせない存在となり、オールスターにも選出されている。ここで紹介した選手達が彼らのように１年目から即活躍する可能性も十分に考えられるだろう。