玄人好みの選手選考で真剣勝負に期待 MLBオールスター見どころ
2017年オールスターファン投票で最多得票を獲得したナショナルズのブライス・ハーパー 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
第1回開催のきっかけは実は…
交流戦など存在しない時代。ナ・リーグとア・リーグのスーパースターの対決は、ワールドシリーズに限定されていた。少年の思いは、33年7月6日に第1回オールスターゲームとして現実のものとなる。後日談として、少年の手紙は存在していない説が有力となり、少年の思いはウォードの創作であることが濃厚となっているが、全米の多くの野球ファンは、「良い嘘であり、良い作り話」として、願望も込めて信じられてきた。
シカゴ・ホワイトソックスの本拠地であるコミスキー・パークで開催された第1回は、4万7595人の観衆が詰め掛け、3回にベーブ・ルースがツーランホームランを記録する活躍を見せるなどして、ア・リーグが4対2でナ・リーグを下した。大盛況で幕を閉じた第1回を受けて、翌34年から夏の風物詩として、毎年開催される恒例のイベントになった。
開催地にとっては30年に1度の大イベント
選手の選出方法は、投手以外の選手をファン投票で選び、各ポジションで得票数1位の選手が、栄えあるスタメン出場を果たす。投手とその他の野手は、選手間投票や監督推薦で決定する。試合は、レギュラーシーズン同様に原則として、勝ち負けが決するまで行なう。2002年にミルウォーキーで行なわれた第73回オールスターゲームでは、延長11回引き分けの裁定を、当時のバド・セリグ・コミッショナーが下した事に対して、ファンは激怒。それを契機にオールスターの開催意義の再構築が行なわれ、翌03年からは、勝ったリーグにワールドシリーズのホームフィールド・アドバンテージが与えられる事になった。
30チーム持ち回り開催のため、地元でのオールスターゲームは、基本的に30年に一回の大イベントになる。開催地では、試合当日の前後1週間は「オールスターウィーク」となり、大型のコンベンションセンターで行なわれる「ファンフェスタ」など、さまざまなイベントが用意されている。「ファンフェスタ」とは、ファン参加型のアトラクションや元メジャーリーガーによるサイン会、オールスターの関連グッズの販売、スター選手のサイン入りボールやサイン入りバット、実際に使用されたユニホームなどの超レアアイテムの販売など、野球ファンならずとも一日中楽しめるイベントだ。
その他に「オールスターウィーク」では、セレブリティーによるソフトボール大会や、将来のスター候補生であるマイナー選手を一堂に集めて行なわれる「フューチャーゲーム」、前日には恒例の「ホームランダービー」も開催される。
今回は実力重視のファン投票
31歳で初選出初スタメンに選ばれたシンシナティ・レッズのザック・コザートは、「最高の前半戦を過ごしているので、もしかするとオールスター選出のチャンスがあるかと思っていたが、まさかファン投票1位になるとは想像もしていなかった。人気よりも成績を見てくれたファンに感謝したい」と語り、クリーブランド・インディンズのホセ・ラミレス、トロント・ブルージェイズのジャスティン・スモーク、タンパベイ・レイズのコリー・ディカーソンらも、同様のコメントをしていた。
まさに今年のファン投票は、米国の野球ファンの良心と野球に対する造詣の深さを再認識させられる結果となった。実力重視のロースター構成になっているために、玄人好みの「真剣勝負」を期待したい。
名優たちが一同に会して行なわれる“ミッドサマー・クラシック”。果して今年は、荘厳な大河ドラマになるのか、それともB級コメディーに終わるのか。そして、誰が主演男優賞の座を手にするのか。その結末は、ぜひ『スポナビライブ』で見届けて下さい。
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日本時間7月11日(火)8:58〜 ホームラン競争
日本時間7月12日(水)8:30〜 オールスターゲーム
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