STOPサトノはマクれる牝馬ライジング 難解!ラジオNIKKEI賞の記者座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 今週からは東西ともに開催場所替わりとなり、いよいよ夏競馬も本番。福島では今後の飛躍に期待がかかる3歳馬の戦い、ラジオNIKKEI賞が行われる。6月のGIを連勝するなど好調のサトノ勢からサトノクロニクルが出走してきたが、優馬TM(トラックマン)陣はどうジャッジするのか。

本紙武井が自信の◎ ライジングリーズンが牡馬を蹴散らす

牡馬相手に重賞2勝目を狙うライジングリーズン(桃帽)(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「今年のトップハンデはサトノクロニクルの57キロだけど、牝馬で55キロのライジングリーズンも実質のトップハンデと考えていいだろうな。実績馬2頭の軸選び、というのが一応の様相だろうか」

武井「そう見ていいでしょうが、僕はライジングリーズンを◎としました。NHKマイルカップがアエロリットとリエノテソーロで牝馬のワンツーだったのみならず、先の函館スプリントSでもジューヌエコールがレコード勝ちを演じたように、今年の3歳牝馬のレベルの高さにはもはや疑いの余地はありませんね。その名前を挙げた3頭に先着の実績があるなら、牡馬相手でも何らヒケは取らないはずです。今回の1800mもコーナー4つのコースも初めてとなりますが、折り合いに苦労せず、コーナーワークの巧さが武器でもあるのなら、むしろ歓迎だと思いますよ」

守屋ライジングリーズンは、フェアリーSもアネモネSもともに不利な中山マイルの外枠を克服したものだったので、待望の内枠を引いた桜花賞では僕も相当期待していたんですが、結果的には外へ持ち出すことができず、内枠がアダになるとは……。競馬の難しさを改めて感じましたよ」

デスク「だったら、当然もう1回だな?」

守屋「もちろんですとも。桜花賞から間隔があいたことについて、奥村武師は“疲れが出ていたので放牧に出したが、疲れが取れなかったので無理せず馬に合わせて、NHKマイルCやオークスは使わなかった”と。このあたりは、馬の状態を見極めて使う師匠の国枝師と非常に似ていますね。最終追い後の取材でも“いいよ! トモがシッカリしたし、休ませて正解だった”と上々の手応えでしたし、“ハンデは55キロだけど、唯一の重賞勝ち馬だからもっと背負わされるかもと思っていたし、大丈夫だろう。小回りコースとはいえ、福島はマクりも決まるし、何より今年はフルゲートに満たなくて、捌きやすい頭数になったのも良かったね”と、師からは悪いコメントは一切聞かれませんでしたよ」

那谷サトノクロニクル陣営だって、悪い話は聞こえてこないぞ。57キロのハンデに関しては“妥当かどうかは日曜日に(結果が出て)わかる”と、池江寿師は克服できると見ているし、ダービーにはアルアイン、ペルシアンナイト、サトノアーサーと3頭も送り出したけど、師が菊花賞で一番期待していると思えるのがこの馬なんだ。何せデビュー前の段階で“半兄でダービー2着のサトノラーゼンより上。ハーツクライの代表産駒になれる”と公言していたほどだからな。“まだキ甲が抜け切っておらず、本格化は先”とは言うものの、それでもここまで連を外していないのは、モノが違うということだよ」

伊利「血統的アプローチからも、サトノクロニクルはオススメできますね。昨年1着のゼーヴィント、一昨年の2・3着馬、そして13年の1・2着馬など、近年は母系にロベルトの血を持つ馬の活躍が目立っています。この馬の母父インティカーブもロベルト系。日本では馴染みが薄いですが、母父としては昨年の凱旋門賞馬ファウンドも送り出してますからね」

佐藤直「俺はクリアザトラックで足りると思うけどな。新馬を勝って2戦目にGIに挑戦したのは、それだけ素質が高い証拠だし、久々だった前走で古馬相手に1000万勝ちの実力があれば、ここは十分に勝ち負けになるレベルだよ。角居厩舎の福島の重賞での実績は、6頭出走して2勝、2着1回と、連対率5割なんだ。ちなみに、サトノクロニクルの池江寿厩舎は、9頭出走で2着1回だけ。どっちを信ずるべきかは一目瞭然だよな」

坂倉「メンバーのほとんどが福島コースは初めてとなりますが、クリアザトラックは折り合いに課題のあるぶん、初のコーナー4回もプラスに働きそうですよね。京都新聞杯勝ちのプラチナムバレットを物差しにしても、2着だったサトノが57キロで、3走前にプラチナムを負かしているこちらが56キロというのは有利だと思います」

桜井「その折り合いの課題については、陣営も前走で進境が見えた点を強調してましたよ。“当日輸送となる関西圏での出走より、前日に輸送して競馬場で一泊できる関東圏の方が、よりリラックスしてレースに臨めるのでは……”とも分析してましたし、再度、力まずに運ぶことができれば、ここも突破できていいですね」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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