コンフェデ杯決勝はチリ対ドイツの再戦に 4強は順当、レベルが劣っていた3カ国
カメルーンの現状はアフリカの弱体化を象徴
長い歳月が過ぎても、フットボール界はヨーロッパと南米が支配し続けている 【写真:ロイター/アフロ】
個々のチームに触れる前に、1つ結論を述べたい。長い歳月が過ぎても、フットボール界はヨーロッパと南米が支配し続けているということだ。他の大陸は蚊帳の外にし、ヨーロッパのチャンピオンズリーグ王者と南米のコパ・リベルタドーレス王者で世界一を決めるインターコンチネンタルカップの復活を望む声が多いのもそのためだ。
FIFA(国際サッカー連盟)はその他の大陸のフットボールが引き続きトップレベルとはかけ離れた状態にあることを目の当たりにしているはずだ。今大会で言えば、ニュージーランドとカメルーン、オーストラリアがそれに当たる。
カメルーンは今大会、良いところなく1分け2敗のグループ最下位に終わった 【写真:ロイター/アフロ】
現在アフリカ諸国の代表チームを率いている監督の多くは、ヨーロッパ出身の指導者だ。そしてそれらのチームがトップレベルに至らない原因は集団的秩序の欠如ではなく、それとは別の重要な要素を失ってしまったからなのだ。
カメルーンはアフリカネーションズカップを勝ち抜く過程でも大苦戦を強いられた。やはりヨーロッパナイズされたチームであるエジプトとの決勝では、終了間際の決勝点で辛勝している。そして今回のコンフェデ杯では良いところなく、1分け2敗のグループ最下位に終わった。
オーストラリアはチリ戦で好印象を残したが……
オーストラリアはチリと引き分けたグループ最終戦で好印象を残したが、上位進出チームと比べると明らかにレベルが劣っていた 【写真:ロイター/アフロ】
ロシアについては、スタニスラフ・チェルチェソフ代表監督に対する批判があまりにも厳しすぎる印象を受けた。こちらは世代的な問題とはいえ、カメルーンと同様に、近年のロシアはスラーバ・メトレベリ、レフ・ヤシン、リナト・ダサエフ、オレグ・ブロヒン、イーゴリ・ベラノフ、イーゴリ・ドブロボリスキー、アレクセイ・ミハイリチェンコ、バレリー・カルピン、アレクサンドル・モストボイ、オレグ・サレンコ、アンドレイ・アルシャビン、ロマン・パブリュチェンコといったタレントが出てこなくなっている(旧ソビエト連邦時代の選手も含む)。それでも2018年に控えた自国でのワールドカップ(W杯)に向けた戦力となり得る興味深い選手がいなかったわけではない。
チームの司令塔としてパスをさばくデニス・グルシャコフには好印象を持った。エースストライカーのフョードル・スモロフももちろんそうだ。一方、CSKAモスクワのスター選手であるGKのイゴール・アキンフェエフはあまりにもプレーが不安定で、ドミトリ・ポロズは試合から消えることが多かった。そういった修正点はあったものの、全てがネガティブだったわけではない。少なくとも目指すプレーの形は見て取れただけに、現時点では結果主義に走るべきではない。